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花 ほろり

心の隅っこに
ソッと咲いていたような
小さな花の ひとひらは

つくり笑いの危うい位置で
強がり見せてみたけれど

ほんの些細な出来事で
その手から離れ 音もなく水の上

繫ぎ止める錨(イカリ)なく
漕いで舵取る櫂(カイ)もなく
流れのままに漂いながら
どんどん どんどん 遠くなる

戻りたいけど 戻れない

過ぎていく 時だけが真実で
ここから先は 深い底

土に還るも 水面に浮くも
咲くがゆえの定めなら
咲かずにいた方が
幸せだったと言うのでしょうか…

それとも 短い時の間で
栄華に誇るが
命冥利と言うのでしょうか…

それでも季節は巡ります
クルクル くるくる 廻ります

みどりの風が吹く頃は
きっと もう 遠い夢の世界

… サヨウナラ …
始まったばかりの春の中
微かな声が聞こえたような
気がした

それは ついつい 昨日のことです。


拙い文章です。サポート頂くことは考えておりませんが お心遣い下さった方へ、心から感謝申し上げます どうかこれからも暖かく見守っていただけますように。