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CFT造施工管理技術者認定試験を受験した話

先日、2023年度の「CFT造施工管理技術者認定試験」を受けてきました。

新都市ハウジング協会という一般社団法人が行っている民間の資格試験です。
施工実績や資格所有者などで会社のCFT造の施工ランクなるものが決まるらしく
会社の所有者確保のために受けてきました。


ところで、CFT造とはなんぞ…?
ということで。



1.CFT造とは

CFTとは「Concrete Filled Steel Tube」の頭文字。
S造、RC造、SRC造に並ぶ構造方法です。
簡単に言うと、
鉄骨のコラム柱の中にコンクリートを流し込む
なんとも強そうな構造です。※梁は鉄骨
SRC造と似ていて、S造とRC造をくっつけたような構造ですね。

SRC造と違うところは、
SRC造は互いの利点を掛け合わせて強い骨組みを作るのに対し
CFT造は互いの弱い所を補い合って強い骨組みを作るイメージです。
コラムにコンクリートを流し込むだけなので、納まりもすごく簡単です。

「補い合って」といったのは、下記の特徴を見ていただければわかりやすいと思います。

RC造の特徴
・剛性◎
・せん断、靱性△
・耐火性能◎
・コスト◎

S造の特徴
・剛性△
・靱性◎
・耐火性能△
・コスト△

以上より従来のS造やRC造、SRC造に比べ優れた耐震・耐火性能を発揮します。
高層ビルのような、高くて広スパンの建物に適した構造です。


2.試験の概要

試験は年1回、7月頃に募集があり10月に行われています。

受験資格は、
3年のコンクリートに関わる実務経験と
・1級建築士
・1級建築施工管理技士
・コンクリート主任技士またはコンクリート技士
いずれかの資格を持っていることが必要です。

試験日のスケジュールは、
13:00〜 講習会
15:30〜17:00  筆記試験
半日なのでまぁ受けやすいですよね。

試験日の1月くらい前にテキストが送られてきて
試験範囲が発表になります。
「テキストの〇章〜」みたいな感じです。


試験はテキストを見れません
加えて、当日の講習内容以外にコンクリートや鉄骨に関わる基礎知識も試験範囲です。
したがって、事前勉強はマストになります。
(講習は試験に対してはあまり意味が無い)

ちなみに、問題用紙も回収されてしまうため過去問等は出回っていないんですね…


3.試験の内容

さて、この記事のハイライトです。
過去問は無いし、基礎知識なんて言われたら
何をどこまで覚えたら良いかわからないですよね…
覚えている範囲で非常に申し訳ないですが
今回は問題構成を教えちゃいます。
(細かい問題の内容は次回で。)
※記憶を辿って書いていますので多少違うところがあるかもしれません。

問題構成としては
1.三肢択一問題
2.○‪✕‬組み合わせ選択問題
3.並べ替え問題
4.穴埋め問題
5.〇‪✕‬で‪✕‬のところは正しい語句を書き込む問題
6.調合計画問題
7.ストロークの計算問題
8.文章記述

順不同ですが、ざっくりこんな感じです。


1.三肢択一問題は、
基本的にはテキストをおおまかに覚えていれば9割はいけます。
残り1割は生コンや鉄骨の特徴や基礎知識を要する感じ。
受験資格にある資格の知識があればまず問題ありませんが
試験から数年経っていた私は少し戸惑った部分もありました。

2.○‪✕‬組み合わせ選択問題は、
知識としては上に同じ。
ただ、問題の出し方がクセ者というかキナ臭いというか…
「〇‪✕‬の組合せとして正しいものを1〜6の中から選びなさい」
といったもので
各問題につき、3つの正誤問題が書かれており、その3つの〇‪✕‬の組合わせを
1 〇〇〇
2 〇〇‪✕‬
3 〇‪✕‬‪✕‬
4 ……(全組み合わせある)
の中から選ぶというもの。

ほんとにムカつきます。笑
各設問が100%わかっていないと得点できない問題ですので
単純な〇‪✕‬問題より得点が難しいです。

3.並べ替え問題は、
知識としては、テキストだけで解ける問題です。
施工計画〜施工の手順を選択肢を並べ替えて回答
c → a → e ……
のように回答する問題です。
施工のフローチャートを理解していればなんなく得点できます。

4.穴埋め問題は、
知識としては3と同じでテキストだけで解ける問題。
文章や、表の□を埋める問題です。
数字や単語を回答するため、基準値等は覚えていないといけないので
まぐれの得点はできない部分ですね。

5.〇‪✕‬で‪✕‬のところは正しい語句を書き込む問題は、
知識としては3と同じで、テキストだけで解ける問題。
「文章中の□が合っていれば〇を、間違っていれば正しい答えを書きなさい」
というもの。
施工管理技士の試験でも毎年似たような問題の出し方をされます。
これはまぐれ得点できる確率は半々(より少ない)といったところでしょう。

6.調合計画 (電卓必要)は、
テキストは関係無く、コンクリートの調合計画のやり方がわからないと解けない問題です。
たしかに、受験資格にある資格の知識でいけはしますが…いきなり出されて驚きました。
問題の出し方としては、表の穴埋めに加え
Q1. 水セメント比はいくつか?
Q2. 空気量はいつくか?
みたいな問題が出されます。
私は正直「終わったな…」と思いました。

7.ストロークの計算問題 (電卓必要)は、
テキストに…載っていたかな…?(たぶん載っている)
でもCFT造特有の問題です。
まず、ストロークの説明ですが
「1ストローク=ポンプ車の1回の稼働(押出し)で圧送される生コンクリートの量」
です。
これを何回繰り返せば〇〇m3を打設できますか?
のような問題です。
ストロークの意味が分かれば、問題はなんてことないかと思います。
私は雰囲気で解きました。(計算間違えましたが)

8.文章記述は、テキストより。
2問あって
「CFT造施工管理技術者の職務を3つ答えなさい」
「自社の施工ランクを答えなさい」
といった問題です。
昨年、一昨年と試験を受けた同僚から出るよと言われていた問題ですので次の試験でも出ることでしょう。
覚えておけば良いだけなので簡単ですね。


4.まとめ

以上、CFT造施工管理技技術者試験の雰囲気をお伝えしました。
難易度としては、事前に勉強しておけば8割程度は難なく解けると思います。

ただ、合格率が7割弱ですし採点の仕方や合格基準についてはブラックボックスですね。
加えて、私自身まだ合格発表が出ていませんのでなんとも言えません。
終わってからテキストを見返しましたが、出来映えとしては7割くらいはとれたかな…という感じです。
11月中旬に合格発表ですので、また情報発信出来たらと思います。


試験でどのような問題が出たとか、どこを覚えておけばいいだとか
具体的な内容はまた違う記事で書きましょうかね。


それでは、少し長くなりましたが
お読み頂きありがとうございました。

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