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自然からの贈り物「タスマニア産ナチュラルビーフ」

こんにちわ、悠々ファームのクニです😊
42歳で全くのゼロから牛飼いを目指した私。

親が農家をしているわけでもなく普通にサラリーマン人生を過ごしていた私が、

「牛飼いになりたい!」

と思わせてくれたのがタスマニア産ナチュラルビーフです。

「へ~~、どんなの?」って少し興味を持って頂いたあなたにちょっとご紹介♪どうぞ!


タスマニアってどんなとこ?

タスマニアはオーストラリア南東部にある島で、7州ある内の1つ。

#タスマニアタイガーの方が有名かも(^^;)

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タスマニア島は北海道とほぼ同じサイズでほぼ同じ緯度。温暖な気候で自然も豊かと南半球の北海道という感じです!

タスマニア島の北西部にある岬には測候所があり、そこで観測されるのは偏西風が来る西側2万キロ先まで人間が住む陸地が存在しない空気。

なので「世界で最も空気がきれいな場所」と言われ、そんな場所でタスマニア産ナチュラルビーフは育ちます。

#雨水もそのまま売ってるよ!


ナチュラルビーフって何?

牛の肥育方法は大きく分けると穀物肥育(グレインフェッド)と牧草肥育(グラスフェッド)の2種類。

穀物も牧草も言ってみればどちらも植物ですが、牛は反芻動物と言って”人間が栄養にすることができない草を栄養にして大きくなる動物”なんです。#ここがすごい重要だよ


タスマニアで見たのは

”放牧地にある牧草を牛が自由に食べて、その牛から出た糞尿が次の牧草の栄養となる”

という風景。

そんな自然のサイクルで育った牛はまさに自然からの贈り物。

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また自然な成長を尊重するため成長ホルモン剤は不使用。

#日本では使ってないんだけど、輸入牛・豚には普通に使われてるんだよね。。。

放牧による牧草肥育+成長ホルモン剤不使用=ナチュラルビーフというのが世界で一般的な見方です。


和牛など日本での肥育方法は?

日本ではほぼ全てが穀物肥育ですね。

和牛だけでなく国産牛として販売されている乳牛のオスも高カロリーの穀物で肥育することで、脂の美味しい柔らかい牛肉を作っています。#すき焼き大好き!!

穀物肥育と言っても穀物を与えるだけだと牛たちが体調を崩してしまうので、穀物と収穫した牧草をバランス良く牛に与えます。そのバランスや配合の中身、そして与え方などは農家ごとにこだわりがあり、日々の一頭一頭の調子を見ながらエサを調整するなどまさに職人技です!

牛たちは牛舎の中で肥育されていますが、一頭一頭見ながらエサをやったり、牛たちが快適にストレスなく過ごせるよう環境を整えるなど、和牛の生産現場で働いて初めて分かったのは

和牛は単なる品種というだけでなく育て方まで含めて日本の文化

だと言うことです。

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またスペースの効率も良いので、日本という狭い国土で最も適した飼育方法とも言えると思います。

「自然を借りて牛を飼育させてもらっている。だから自然を守るのは当たり前のことだ」

一方、タスマニアで初めて牛たちを見たときのことを言うと、

「草を食べている牛もいれば、座っている牛もいて、動いている牛もいる。牛本来の食べ物である牧草が豊富にある証拠だ」

と教えてもらったのを思い出します。

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農家の人たちは、最も栄養価の高い牧草がある放牧地に牛を移動させるだけ。ピーク時はそれだけで1日に2kgも体重が増えるそうですよ( ゚Д゚)

タスマニアの気候が育てた牧草を、牛たちが好きなように食べて、放牧中の牛の糞尿が次の牧草の栄養となる。こんな自然のサイクルを見て感じたのは「人が牛を育てるのではなく、自然が牛を育てる。」という日本の畜産とは全く違うもの。

自然と牛本来の力を最大限利用する放牧は日本の農家さんにとっては働き方改革のようなもの。 ♯余計なお世話ですみません

けど、”移動させるだけ”と書きましたが、もちろんそれだけではなくて一年を通して牧草を食べれるように夏に適した牧草や冬に適した牧草、肥料の役割をしてくれる牧草などを自分の牧場に合わせて準備をする、干ばつや寒波などにより牧草が育たない場合に備えて乾草やサイレージを確保する、寄生虫対策や体重測定などの個体管理、土壌に不足する栄養の施肥、何より牧草だけで肥育できるだけの牧草の栄養と在庫の管理など様々な作業はありますよ(^^;)

そんなタスマニアの農家の一人であるジョン・ブルースさんは自分の農場の一部を自然のまま保護しており、そこに毎年野生のペンギンが子作りのために帰ってきます。#めっちゃかわいいの

ブルースさんに、なんでそういうことしているん?と質問した時に帰ってきた言葉が見出しの言葉です。#かっこいい。。

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でも、「牛肉は霜降りだ!」という方はごめんなさい

和牛とは違い、放牧しながら牧草だけで育ったビーフは脂ではなく赤身肉で勝負!

#ちなみに牛の種類はアンガスやヘレフォードなど肉専用種ね

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ウェルダンではどうしても固くなるので、ぜひ食べてほしいのはレアか、中がピンク色のミディアムレア。

#骨付きリブアイ500gをペロッといただきましたwww

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でも、グラスフェッドビーフってグレインフェッドと比べると味にバラつきがあるよねって声があるのは知っています。季節によって牧草の種類が変わるし、天候による牧草品質の変化もあるし、あと農場によって牧草の種類が違うこともあるし。#牛一頭一頭違うしオス・メスもあるし #だったら和牛もそうじゃない?

けど、特に肉質に悪影響となる牛たちのストレスはほぼゼロの環境。

農家さんもアニマルウェルフェアなどが組み込まれた農場段階の品質保証制度であるLPA-QAと言われる認証プログラムを取得したり、#ネットで基準書が見れるけど126ページもあるので翻訳断念www

①柔らかさ②味わい(旨み)③ジューシーさの3つを基準に、消費者が常に一定した品質のビーフを購入できることを目的としたMSA認証もついてます。#世界10万人以上のテイスティングを基準 #牛のストレスは肉のpHで測るよ #日本は枝肉の歩留りと脂肪交雑だけ

けど、結局は自然のものなので違いを楽しむのも面白くないですか? #ワインみたい


余談ですが。。。

オーストラリア版「料理の鉄人」でアイアンシェフであるニール・ペリーさんが彼のレストランRockpoolやBurger Projectで愛用。#でも昨年の2020年3月にすべて閉店してしまった模様( ノД`)シクシク…

さらに、抗生物質不使用や成長ホルモン剤不使用だけでなく、高いレベルのアニマルウェルフェアを基準にしているアメリカのWholefoods Marketでも販売されています。#セレブ愛用のWholefoods

まさしく、世界が認めるグラスフェッドビーフなんです。


最後に

とまあ、長々と書いてしまい申し訳ありません。ですが、あともう少しお付き合いをください(笑)

こんなタスマニアを10年も見てきて思ったのが、日本の自然と牛との調和の可能性なんです。

牧草が育つには水が絶対必要ですが、日本には世界平均の2倍にもなる約1,700㎜の降水量があります。そして、42万haもの耕作放棄地や手入れがされていない山林があるそうです。#42万haって東京ドーム約9万個です(笑)

あと、同じ家畜である豚や鶏を育てるには穀物が必要ですが、牛は草だけで育つ反芻動物なんです。#覚えていますか?

「日本の自然が育てた和牛」そして「和牛がつくる日本の自然」

この可能性にチャレンジしたいと思ったのが、42歳でゼロから牛飼いを目指した理由です。


ご精読ありがとうございましたm(_ _)m

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