「天然物の天然」には憧れるしかないけど、思いがけず「天然物の変」にはなれる可能性を秘めているって話
働かなくていいんだったらマッサージに行かせていただきます
年度末、世の中はたぶん繁忙期。
そして私はもちろん繁忙期です。
まだあるか分からない異動への期待に胸を膨らませ、早々に引継書を書かねば!と決意して2週間。
未だ一文字も書くに至らないくらいにはばたばたとしています。
そんな最中、
「(私の評価に関わるから)今日は早く帰ったら?」(提案型命令)
と上司に言われ、
「(全然仕事終わらないんですけどいいんですね?年度末に間に合わなくていいんですね?責任とってくれるってことですね?それだったら)はい。」
と半ばキレ散らかしながら帰宅を余儀なくされた日、取れそうな首を抱えながらいつもお世話になるマッサージ屋さんに行きました。
そこは楽しいお喋りマシーンなマッサージのプロがたくさん在籍していて、私が死にかけたときの駆け込み寺なのです。
放たれし衝撃
例によって、「こんな肩も首も背中も腰も足もゴリゴリにしちゃってどうしたのよ。」と言われながら、「そんないつもどおりのことはいいから『私の旦那さんは変だ』な話を聞いてよ。」と持ちかけます。
「そんなわけでね、育った家庭の違いって大きいんだなと思った。」
「それはあるよ。他人だもんねえ。でもさ、優しそうな旦那さんね。」
「それはそう。すごく穏やかな人だよ。何しろ私と喧嘩にならないからね。」
「ただちょっと変わってるのね。」
「そう。そもそも私を嫁にしようと思う猛者だってところからちょっと変わってるよね。」
「それ、自分で言うの?」
「んふふ。言っちゃう。」
そんな穏やかな会話の最後に驚きの一言がぶっ込まれました。
「まあでも、あなたも変だしお似合いじゃない。」
「・・・え?」
またまた。そんなわけないですやん。
意味を呑み込むのにリアル3秒を要する私。
もう一回聞き直します。
「え?」
「だから、あなた変わってるわよって。」
聞き間違いじゃなかった!!
変わってる?
それは普通平凡没個性、基本原則典型例の代名詞であるワタクシめのことですか?
「いやいやいやいや、ないよ。初めて言われたよ。」
「やあねえ。自覚ないの?本当に変わってる人ってやっぱりそうなのね。」
自覚なんかあるわけないのよ。
あまりにも月並みで、非凡だったらよかったのになあって思いながら生きてんのに。
あとね、それは天然の人に言うやつなのよ。
「天然物の天然」の人は躍起になって否定して、「人口養殖物のあざとい系天然」の人が内心ニヤニヤしながら「そんなことないですよお。」って言うやつなの。
え、待って。
一生懸命否定しちゃってる私、もしかして「天然物の変」な人なの?
とうとう没個性が個性ですって言わなくてよくなったことを喜ぶべき?
でもそれだったら天然になりたかったー。
なりたかったとか思ってる時点でもうぜったい無理なんだけど。
あとさ、ずっと前から思ってたんだけど、あなたもおネエさんみたいな口調で、でも一人称は俺でちゃんと男性だし、変わってるって言われたことない?
たくさん言いたいことはあるけれど、とにかくまずは。
「ちなみに、私、どのあたりが変なの?」
走馬灯くらいノンストップでツッコミが頭を駆け巡った、その果てに出た一言には何の捻りも工夫も特徴もなく、「やっぱり私って普通だな」と思いました。
教えて!マッサージ師のおネエさ・・・じゃなかったおじさ・・・お兄さん!
「・・・。」
ちょいちょいちょーい。
なんか言って。
どこが変か教えて。
それによって今後のいろいろとかもろもろとか検討した方がいいかもしれないしさ。
「あ、腰やばいね。ちょっと温めるもの持ってくるわね。待ってて。」
とうとう返事はないまま新しい話題に移ってしまいました。
ちょっと待って。
今は腰よりむしろこちらが大事なんです行かないで。教えて。
つまり私は変なんでしょうか。
結局、本当に私は変なのか、そうだとしたらどこが変なのか、この日、またひとつ事件が迷宮入りしました。
「変」に想いを馳せ続けて、そして結論へ
マッサージ屋さんから帰宅する道すがら、ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも、ベッドに入るときも、次の日起きてからも、ずっと考え続けました。
私、変なの?
どこが変なの?
本当に変なの?
え、でも普通じゃないのもいいかもしれないとか思っちゃう。
でも「変な人」なのよ?
それでいいの、私?
そしてとうとう今日、結論が出ましたのでお知らせします。
こうやって、こんなどうでもいいことをぐだぐだと考えたり、天然物になりたかったり、「変」が褒め言葉かもと血迷ったり、こんなエピソードを書き綴ったり、エトセトラ。
私、たぶんこういうところが変なんだわ。