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レ・ミゼラブル

あの長い原作を短い時間でまとめるのは大変だと思うけれどもうまくまとめていてわかり易かったと思います。
もちろん、原作を全然知らないよりは少しでも知っている上で観た方がより深く内容を理解出来るとは思いますが。

レ・ミゼラブルは内容が暗いので大好きな作品というとウソになってしまいますが、それでも何故か結構好きな部類にはなります。
今まで原作、ドラマなどでもみてきましたが、一番印象に残っているのは、みなもと太郎版なのです。
だから・・・実は何をみても、未だにみなもと太郎版の顔が浮かんでしまうのです。(笑)
あれってギャグ漫画だけど、今思うと案外原作に忠実だったと思うんですよね。

よく思うんですけど、外国の小説には宗教が色濃く反映されているっていうこと。
これもまさしくジャン・ヴァルジャンがミリエル司教によって改心する話。

私は子どもの頃はしつこくジャン・ヴァルジャンを付け回すジャヴェール警部が嫌いだったのだけど、大人になると何故かジャヴェール警部が気になって気になって・・・。
何故、自殺しなくちゃならないのか、何故あそこまでしつこくしつこくジャン・ヴァルジャンを追い回す必要があったのかとか・・・。

ジャヴェールは服役囚の父と、同じく服役囚のトランプ占いのジプシー女の子供としてトゥーロンの徒刑場で生まれたという生い立ちから自分自身の居場所、精神的な拠り所を持つために法の番人になり、最終的にジャン・ヴァルジャンから命を助けて貰った時に今まで自分が信じていた法にも欠点があるということに気が付いたから自殺したってことは頭では理解できるのだけど、それ以外にも何かあるのでは・・・と思うのです。

そこで宗教について考えてみると、
ジャン・ヴァルジャンは心から神を信仰していた。
それに比べてジャヴェールが信じていたのは人間が作った<法>。
この違いがジャヴェールが自殺したということにつながるのではないかとちょっと思うのです。
自殺っていうのはキリスト教では神に対する思い罪だったと思います。
あえて、そういう行動に出たジャヴェールは、この小説においてどういう存在であったのか?

なんてことをちょっぴり考えてしまったわけですが・・・
ま、ああだこうだとぐちゃぐちゃ考え込まずに素直に面白かったねって観た方がたのしいですよね。
特にミュージカルの場合は歌を楽しむこともできますし。

この映画、歌も良かったし映像も美しかったし観に行って良かったって思います。

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