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手塚治虫 (鳥人大系)

(1971年3月~1975年2月 SFマガジン連載)

手塚治虫の凄さにただただ脱帽するしかない・・・という作品。

これは普通の漫画雑誌に連載されたものではなく、あの「SFマガジン」だったから
特に趣向を凝らしてみた・・・という感じなのかもしれない。

突然知能が発達した鳥たちが人間を滅ぼし
かつての人間のように地球で一番優れた物として君臨する。
しかし、鳥人たちもまた人間たちが犯した過ちを繰り返す。
そして・・・

直接関連のない短い話のみで構成されている。
小さいエピソードがひとつ、またひとつ・・・と
進んでいくうちにまるで小さなさざ波が次第に大きくうねり出して
大波がザパ~~ンと打ち寄せてくるように
圧倒的な力で読者を「手塚ワールド」に引き込んでしまうのだ。

こういう話の組み立ての仕方は、流石!手塚治虫!!!!
凡庸な漫画家には絶対無理な構成だ。

しかもその短い話はそれ一つのみでも十分読める上に
他の小説などのパロディでもあったりするのだ!

膨大な量の漫画を描きながら、さらに膨大な量の知識を今まで既に得ていたものプラス新しい知識を貪欲に吸収して自分の漫画に生かしていく・・・素晴らしいとしか言いようがありません。


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