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関東の神社 流造をみる①          「玉村八幡宮本殿」

ここのところ関東で神社建築に携わる機会を得たため、類例調査として関東の流造を見て歩いている。
第1回目は群馬県佐波郡玉村町の「玉村八幡宮本殿」を見ていこう。
いろいろめずらしい部分が目に付くので、気になったことをかきだしてみたい。

①華頭窓・桟唐戸が付いている禅宗様的な要素満載の神社本殿ということ。
②向拝組物が出組であること。(向拝が出組のものは霊山寺本堂など仏殿ではみられる)
③実肘木を掴む巻斗と直接桁を桁を掴む巻斗が同居していること。

華頭窓が付く神社本殿はめずらしい
向拝柱上の組物が出組とは。
なんとも高度なテクニック。
実肘木を掴む巻斗と桁・虹梁を掴む巻斗が同居する。

 たぶん華頭窓は後補だろうから、実肘木の斗組も後補かもしれません。
パッと見た印象でいうと、側面の蟇股と背面の蟇股の作風が違い、背面の蟇股の方が古い物のようにみえます。
 このことからも、実肘木が後補と考えるひとつの材料といえるのではないでしょうか。

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