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自粛生活中に観た映画(3)

最近娘とハイジを見始めたのと、滞っていた仕事がまた動き始めたのもあって、さらに映画を観る時間が減っている。本当は最後のジブリも観ないといけない。
なので今日は2本だけ。今月は噂のネトフリ映画『ハーフオブイット』だけでも観ておきたい、じゃないとNetflixには毎月ただお布施をしているだけになってしまう。

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『メランコリック』
無茶苦茶面白かった。最初、勝手に韓国映画かと思っていて、いつか観ようと楽しみにしてたら全然邦画だった。ギトギトした風合いのポスターが勝手にそう思わせていた。
最初、主人公の両親の芝居がマズかったり(わざと?)、変な間があったりカットの繋がりがわかりづらい場面があって、低予算映画の空気が漂いまくっていたが、すぐに人物たちの魅力が伝わってきて前のめりで最後まで観終えることができた。
中盤以降のセリフは、どれも作られたものではなく、キャラクターの口から本気で放たれているような凄みがあって(特に車の中で主演二人が今後を決める言い合いをする場面)、そういうセリフに引き込まれているうち、自分が主人公の和彦の立場にシンクロしてしまうような怖さがある。セリフのリアリティって大事〜。
主人公のバディキャラ・松本がまぁ魅力的で、初登場時のキャラからどんどん味の変わる飴を舐めているような変貌ぶりを見せてくれるので、途中でこの役者さんのことを調べてしまった。アクションの監修もこの人だそう、本物の殺し屋に会ったことはないが、たぶんこんな感じなんだろう。
ステイホームが続くこのタイミングで観たこともあってか、人生の醍醐味についてちょっと考えたりした、テーマも良かった。古谷実の「シガテラ」「ヒミズ」が好きな人に特におすすめしたい。


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『まく子』
久しぶりにこういうつかみどころ無いけどなんか残る不思議系ノスタルジック映画を観た気がする。温泉町にキムタクの娘さんみたいな女の子のこずえ(宇宙人)がやってきて、思春期の男の子に影響を与えてまた星に帰っていく…みたいな話。こういう明け方見る夢みたいな話を自分もいつか商業作品で…とか思ったけど、エンドロールで西加奈子さんが原作だと知り、やっぱりそれぐらいメジャーじゃないと通らない話なのか…と、そんなことを思ったりもした。でもいつかやってみたいな〜、イメージだけで状況を見せていくような自分勝手な話。
これを観た翌朝、「…あれ?結局〝まく子〟ってタイトルは何だったんだ?」と、何の疑問もなく観ていた自分を俯瞰で見ながら映画の内容を反芻した。振り撒く子、なのね。なので、タイトルも含め、何か継ぎ目の無い(一本の大木から削り出した仏像のような)作品だったことを実感。観て良かった。公式に当てはめたようなことしか考えられなくなった時とかに引っ張り出してきて観るのに向いている作品かもしれない。
草薙君が最も草薙臭を脱していて、飄々とした自由な父親を演じていてとても良かった。

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