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肩関節複合体(5)胸鎖関節

鎖骨と胸骨によって構成される胸鎖関節は、関節包と靭帯によって補強され、関節円板によって可動性と安定性が保たれているという構造を持つ。

(1)解剖学的特徴

胸鎖関節は※滑膜関節で、挙上/下制、前突/後退、前方回旋/後方回旋に動く。その自由度は約3°とされている。

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※滑膜関節の種類
滑膜関節は、主に6種類の関節に分類できる。

・滑走関節(単一の面で関節が互いに接触・稼働する)
・蝶番関節(関節をひとつの軸で動かす)
・車軸関節(回転動作をする関節)
・顆状関節(凸面・凹面を構成する関節面が、互いにはまり込む関係にある関節)
・鞍関節(一方の突出した関節面が鞍の形をしている)
・球関節(接合部分が球状をしている

胸鎖関節は上肢との結合部位であり、上肢の可動性に大きく影響する。関節面は特徴ン的な構造をしているが、退行変性(加齢や老化に伴う変化)することは稀とされる。これは関節半月、関節周辺の靭帯(肋鎖靭帯、胸鎖靭帯、鎖骨間靭帯)が緩衝材として働いていることが理由の一つと考えられている。こうした構造上、胸鎖関節の脱臼も非常にケースが少ない。

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