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ミトコンドリアを増やすための地中海食のすすめ〜元気と長寿と美容を手に入れる

健康的な食生活の代表格でもある「地中海食」といえば、果物や野菜を豊富に食べる、乳製品や肉よりも魚を多く食べるオリーブオイル、ナッツ、豆類、全粒粉など未精製の穀物をよく食べる、食事と一緒に適量の赤ワインを飲むなどが主な特徴です。

健康や美容、一部ではダイエット食としても注目される地中海食について、ミトコンドリアの活性化にもつながるんじゃないか?という論文が2023年に発表されています。今回はその内容について紹介していきます。

ミトコンドリアと健康との関連性

ミトコンドリアは、ほとんどの細胞にエネルギーを供給するアデノシン三リン酸(ATP)を産生する細胞内小器官です。現在では、心肺や骨格筋がそれぞれ酸素を供給して利用する能力(最大酸素消費量[VO2max]などを指します)が、現代人の健康と長寿にかなり深く関わっていることが知られています。この健康・長寿の決定要因の中心にいるのが、ミトコンドリアというわけです。

また、ミトコンドリアは老化の促進や加齢に伴う疾患の発症とも、関係性が深いと言われています。実際、加齢に伴うミトコンドリアの機能不全は、ガンや心血管疾患、糖尿病のリスクを高めるとも言われているのです。

ミトコンドリアは、肥満に関連した代謝異常にも関係しています。ミトコンドリアは糖質、脂質、タンパク質を酸化してATPを生成します。ミトコンドリアが十分なレベルのATPを産生・維持できない状態(ミトコンドリア機能障害)だと、当然エネルギー産生に糖質、脂質、タンパク質は用いられないため、体内に蓄積され肥満の原因となってしまいます。

一部の研究では、栄養素の過剰摂取(オーバーカロリーや三大栄養素の過剰摂取)がミトコンドリアの機能に影響を及ぼすとしています。肥満がミトコンドリア機能不全にもつながるという、逆の現象を示唆する研究もあるので、食べすぎによるミトコンドリア機能不全→肥満の低下→さらなるミトコンドリア機能不全の悪化……といった負のスパイラルに陥ることも考えられます。

ミトコンドリアとストレス

ミトコンドリアはストレスに起因する、代謝や他の内分泌系の変化に敏感です。例えば、高レベルのストレスホルモンが分泌されている条件下では、ミトコンドリアの機能であるカルシウム緩衝能が低下します。これは、細胞の内部環境を維持するために欠かせない機能です。またストレスにさらされている環境下では、ミトコンドリアからマイトカインと総称される物質が放出されます。マイトカインは全身性の炎症を誘発する物質です。

ミトコンドリアと神経精神疾患

ミトコンドリアの機能不全は、統合失調症、双極性障害、うつ病といった精神疾患とも関連していると言われています。

地中海食によるミトコンドリアの変化

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