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心療内科を受診したら、鬱な症状が3週間で収まった話

2018年6月、ついこの前のことであるが、僕の気分はひどく落ち込んでいた。メンタルを崩すことは今までもたまにあることで、大体2週間くらい、暗闇に包まれたりする。ただ、この症状自体は、今までも「時間が解決する」ということを経験してきたため、落ち込み尽くした後には大体元気になるものである。でも、今回の落ち込みは、今までのものとは少し違っていた。

今までの落ち込み方は、大体原因がはっきりしていたことが多かった。仕事がなくて不安だとか、嫌な人と出会ってしまったとか、そういった類のものであることが多く、その悩みの根本を解決してしまえばあとは自然に治っていく。そんなことが多かった。ところが、今回の落ち込みは、自分の中で原因が全く分からない。なんで自分がこんな症状に陥っているのか検討もつかなかった。

今になって思えば、会社を辞めて3年ほどが経ち、仕事もそこそこ順調になったからこそ、今まで蓋をしていた小さな不安が重なり合って、大きな塊になってしまったのかもしれない。がむしゃらに自分なりにがんばって、その間見てこなかったものたち。生き方が落ち着いた今、それが自分の前に存在していることをなんとなく自覚したのかもしれない。

どうにもこうにもいかなくなった僕は、心療内科を受診してみることにした。すると、受診の効果かどうかは分からないが、あれだけ不安定だったメンタルは、7月以降急激に持ち直し、今ではほとんど前と変わらない日々を過ごすことができるようになった。

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僕の中での心療内科のイメージは、「予約がいっぱいですぐには受診できないんじゃないか」というものだった。現に、会社員時代にも仕事で鬱っぽい症状が出た時、とある心療内科に電話をしたことがあったが、「予約は1ヶ月先まで満杯です」と言われてしまった。それで敬遠してた部分もあったが、今回行ったところは1週間後の予約を取ることができた。

初めて行った診療内科は、ほとんど問診のみだった。そして医者は、特別親身になっているわけでもなく、淡々と診断をしていった。最終的にはその時に、「鬱病ってほどではないけど、抑うつ神経症かもしれないね」と言われた。それを言われた時、僕は自分に「病気の疑いがある」ということを、医学のプロに言われたことに、少しの衝撃を受けた。

日本人は精神論が大好きだから、「心の問題」をあまり表に出そうとしない。根性で解決するとか、嫌な気持ちを持ったまま生きていくことが美徳なんだという風潮があると思う。でも、今の自分の状態が、「病名がついている状態(の疑いがある)」と言われたら、「そりゃダメなわけだわ」と納得がいく。

この時に処方された薬は、不安な気持ちを抑える薬と、不眠時に摂取する薬だった。原因を取り除くのではなく、対症療法的なものだと思う。不安な気持ちになった日は飲んでみるというもの。後日、気分が落ち込んだ日に飲んでみたら、日によって効き目は違うものの、確かに少し楽になったような気がした。

特効薬的なものではなかったと思うのだが、何日かこれを繰り返すことで、自分でも分かるくらい、「落ち込む日」の頻度は下がっていった。そして次に心療内科に行った時にそれを告げると、「次に処方した薬がなくなりそうになったら来てね」と言われた。次の予約は取らなかったのだ。そして、今でも薬はなくなっていないし、そういえばもう1週間以上飲んでいない。

完全に回復したとは言い切れないけど、こうして今までにないくらい落ち込んでいた僕は、心療内科を受診して3週間ほどで症状が収まったのだ。

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風邪をひいたら内科に行くし、骨が折れたら整形外科に行くし、肌があれたら皮膚科に行くという世の中で、心の問題だけは軽視されがちなのが日本なのかなと思う。でも、この心の症状には、病名がつくような状態なのかもしれない。それなら、ささっと医者に見てもらった方がいいんじゃないかと思う。

僕の場合、ひどい状態ではなかったからよかったものの、先生曰く「鬱病だともっと根気の必要な治療(投薬)をしないといけない」とのことだったので、早めに診てもらうのは正解だったのかもしれない。

「心の問題だから自分で解決しよう」が無理だったら、心療内科に行ってもいいのかもしれない。そこには医者がいて、客観的に症状を診てもらえるし、薬も出してもらえる。心が風邪をひいているから、薬を飲むのはおかしな話じゃないし、風邪はいつまでも続くものではないのだ。僕は、心療内科に行って良かったと思う。

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