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未必の故意で逃してはいけない『高齢者とマスメディア』

”文字が多すぎるし、チカチカしてるのよ・・・”

90代の女性の一言が忘れられません。

一体なのことを言っているのかというと、

「テレビ」の見にくさ

のことを言っていたのです。

それはある昼下がり、某ワイドショーをデイサービスで見ていた時のこと。

芸能人が極悪非道な悪人であるかのように取り上げられている特集でした。

画面の中では、有名司会者の方がまるで世界の全てを知り尽くしているかのように、芸能人コメンテーターを煽っています。

「いやあ、ひどいですね〜」

21世紀、令和時代、来年2020年にオリンピックを迎える国とは思えないほどの「低俗な内容」です。

テレビに映る芸能人たちも、広告提供のビジネスパートナーに気を遣いながら、最もらしいことを”大人な顔”で語っています。

ここで出た一言。

”文字が多すぎるし、チカチカしてるのよ・・・”

一体なんのことを言ってるのかと聞いてみると、

・テレビは出演者が多すぎてわけが見分けがつかない
・出演者みんな早口で何を言っているのかわからない
・画面に映る文字が多すぎて何が書いてあるのかわからない

そして、そのおばあちゃんは続けて言うのです。

で、この人、悪い人なんでしょ?

「え?」

思わず聞き返してしまいました。

”ほら、テレビの人が言ってるじゃない〜”

確かにテレビ画面に目をやると、いかにもその槍玉に挙げられている芸能人が極悪人であるかのように取り上げられています。

伝えられる情報が断片的で、派手。
出演者全員が怒った顔や険しい顔をしています。
それを観たおばあちゃんが「この人は悪い人だ」と思っても仕方のないことです。

しかしながら、テレビは「悪い人を取り上げるための装置」なのでしょうか?

日中、やることもなく、生活の中心にテレビがある高齢者が、そんな怖い番組を見続けることを想像しながら制作しているのでしょうか。

社会的責任

テレビを観ることが生活の中心である高齢者は全体の6割とも7割とも言われています。

その高齢者のほとんどがインターネットを介在しない生活を送っていることは承知の事実です。

テレビはそのことを知ってか知らずか・・・

いや、おそらく知っているはずです。

知っていながら、

・文字の数を増やし
・出演者を増やし
・誰かを責め立てる内容を繰り返し放送して

いるのです。

僕たちは、そのニュースや取り上げ方がどうであるのか、SNSやインターネットを使って情報を得ること、時には一次情報を得ることだって可能になってきています。

しかし、高齢者はそうでありません。

高齢者は、

・ホリエモンは極悪非道な罪人
・不倫をしている芸能人は極悪非道な罪人
・政治家のほとんどは罪人

だと思っています。
少し極端かもしれないですが。

テレビはいつまでこんな放送を続けていくのでしょうか。

今朝もお笑い芸人コンビがまるで行政からお金を騙し取ったかのように報道されていました。

民間の放送局だから、少々のエンタメ要素を入れるのはいいと思います。

でもね。

高齢者にとってテレビは、「この世の中の全て」なんです。

テレビが言っていることが「正しいこと」なんです。

楽しいテレビ番組を作っている方々は、それを肝に命じて欲しいと思います。

情報源のシフト

そんな状況にあって、僕はそれでも「インターネットと高齢者」の可能性を探っています。
スマホ教室もその1つです。

今や僕のスマホ教室にご参加の方々は、アプリでニュースを観ています。
1つのアプリではなく、2つ3つとインストールしている方も珍しくありません。

今まではテレビで語られることが「この世の中の全て」のように見えていましたが、今はそうではありません。

時間はかかると思いますが、高齢者が情報弱者でいなくてもいいように、等しく情報を得られるように、今後も活動していきたいと思います。


<終わり>


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