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テレビを分解した話

 全学ゼミでテレビを分解する授業をとりました。環境問題について理解を深め得るために、二日間かけて2台のテレビを分解して、組み立て直すという、面白い授業でした。ゼミの最後には班で成果を発表しましたが、せっかくなので個人日記みたいなものを書こうと思います。


はじめに座学

 環境問題について考えるときに、まず思いつくのがゴミの問題です。ゴミを増やさないために、世の中では様々な取り組みが行われています。使う資源を減らすReduce、すぐ捨てずに使い回すReuse、製品を資源まで戻して再利用するRecicleの3Rなどはお馴染みです。
 一方、最近ヨーロッパを中心に注目されているのが、CE(サーキュラーエコノミー)です。CEとは、廃棄物をなくし、資源を循環させ、自然を再生するための循環型の経済システムのことです。これまでは製品を「作って使って捨てる」が当たり前でしたが、廃棄物の発生を前提としないのがCEの特徴です。僕はこの授業で初めてCEという言葉を知りましたが、お昼ご飯を食べた研究室の本棚にはCE関連の雑誌が何冊も置いてありました。
 実際に使われていた製品を実際に分解して、分解のしやすさやリサイクル可能率を調べ、環境揉んだの理解を深めるのが、今回の授業の目的でした。


テレビの分解(1日目)

 1日目に分解したのは、パナソニックの2009年製のテレビです。

Panasonic TH-L17X1PS
うっすら画面がついている


 まずは実際にテレビがつくことを確認してから、分解スタートです。今回は、のちに組み立て直すときのことも考えて、分解工程を全て記録します。わかりにくいところは適宜写真や動画を撮って、組み立てるときの参考にします。班員四人で役割分担をして進めました。
 使った工具は、電動ドライバーと手動ドライバーだけです。複雑そうなテレビも実は意外とお手軽に分解できるのです。



背面カバーを外すと



基盤の下に、さらに基盤



部品がたくさん


 2時間くらいかけて、一台目のテレビの分解が終わりました。ネジや小さい部品が大量に出てきたので、紙コップに入れて分類しています。
 このあとは、それぞれの部品の材質を調べ、重量ベースのリサイクル可能率を調べます。金属は磁石がついたら鉄と判断し、プラスチックの部品はどこかに書いてある材質表示を探します。PSならポリスチレン、PCならポリカーボネート、ABSなら(ボウリング用品の会社名ではなく)アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂です。
 今回のパナソニック製テレビのリサイクル可能率は65%でした。

 分析が終わると、最後に組み立てです。最終的にちゃんとテレビが動くのか心配になりながら、分解の時を思い出して、一行程ずつ組み立てていきます。



ネジはどこに刺さってたっけ、そんな時は動画を参照



 組み立ての時はあまり写真を撮らなかったので、もう完成です。果たして一度分解して組み立てなおしたテレビはちゃんとついてくれるのでしょうか。



 スイッチ、オン!




スイッチ、オン


 無事につきました!!!!
 分解・分析・組み立てまで、昼休みを挟んで、合計5時間ほどかかりました。ちゃんと組み立てられてよかったです。(付箋の量が大変さを物語っている)




テレビ分解(二日目)

 二日目は、HITACHIの2010年製のテレビを分解しました。2回目なので、手際よくサクサク分解していきます。




HITACHI 16-X700



複雑な基盤




ネジが多い



 分解の結果、 HITACHIのテレビのリサイクル可能率は81%でした。パナソニックのテレビよりも、ネジの種類が多く複雑でしたが、基盤は一層にまとまっていて分解しやすいという面もありました。

 今回も調べることを調べたあとは現状復帰です。全ての工程を逆にして慎重に戻していきます。


組み立て完了


 無事組み立て終わりました。
 スイッチを押します。



うわ。。。


 どこでしくじったのでしょうか、画面左下が壊れてしまいました。知らない間に液晶を割ってしまっていたようです。画面がついたので一応成功です!



結果

 HITACHIの方がリサイクル率は高かったが、パナソニックの方が分解しやすかったという結論になりました。



おわりに

 ものを分解することは日常生活ではほとんど経験することがなく、ましてテレビを分解するなんて最初で最後の経験だったのかもしれません。もともと単位数が欲しくてなんとなく取った集中講義でしたが、充実した二日間でした。




おまけ 14号館10階から見た安田講堂




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