見出し画像

チンチラ転生 第20話「なぜか懐かちく思うんでち」

チンチラ転生~前世でチンピラだったはずの俺がチンチラに転生!こうなったらモフモフな可愛らしさでのし上がってやる!~

第20話「なぜか懐かちく思うんでち」


 もぐもぐもぐ…… チモシー美味しいでちぅ。

 ご主人様はいい人でち。
 どんなに忙ちくても、どんなに大変でも、どんなに悲ちくても、あたちの世話はかかさずちてくれる。

 もぐもぐちているあたちを見ながら、ご主人様の目から水がこぼれた。

 大切なお友だちがちんじゃったらちいのです。
 二人の名前を呼びながら、やさちくあたちのあたまをなでてくれまちた。

 しばらくちてご主人様の連れてきたニンゲンは、やたらと声が大きいヒトでちた。
 あたちたちチンチラの耳はとても良いので、大きい声は耳が痛くなりまちゅ。

 しかも、そのヒトはあたちの事が気に入らないみたい。
 ご主人様がいなくなると、ヒザにのせていたあたちを乱暴に振りおとちます。なんだか、ご主人様のご機嫌だけとりたいみたいでちね。

 それにちてもここんとこ、体がむじゅむじゅして変な感じでち。落ち着かない。

「ほら、これがお前のお相手さんだよ」
 そう言って、ご主人様がみせてくれたピカピカに映ってたのは、なんだか見たことがあるような仲間チンチラでちた。
 よぉ! とか、俺の真似をしろ! とか、初めて会うのに色々なおはなちをちてきまちゅ。
 くんくん嗅いでも匂いがちない。でもここにいるみたいに動いて鳴いていて、不思議な感じでち。

 その仲間に言われたように真似っこをちてみたら、ご主人様が楽しそうに笑ったので、よかったのかもちれません。

 今日のご主人様は特にご機嫌でち。
 あの声の大きいヒトもやってきまちた。わたちの事を嬉しそうにつつこうとします。でもあたちはこのヒト嫌いでち。ぷんっ。
 ご主人様にいただいたおやつをもぐもぐしていると、不思議な匂いがちまちた。

 これは……初めての仲間の匂いでち!
 でもなんだか懐かしい、知ってる気がするでち!!

 あたらちく来たニンゲンたちが持ってきたケージの中に居たのは、頭の毛がピンピン立っている、あの「真似をしろ」のチンチラでちた。


PREV

NEXT>


【『チンチラ転生』第1話から読む】

応援よろしくお願いいたします!!(*´▽`)