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チンチラ転生 第15話「カップ麺を作るのと同じくらい」

チンチラ転生~前世でチンピラだったはずの俺がチンチラに転生!こうなったらモフモフな可愛らしさでのし上がってやる!~

第15話「カップ麺を作るのと同じくらい」


 俺のケージの隣に並べられたゆりちゃんのケージに向かってくんかくんかといい匂いを堪能していると、ゆりちゃんもこっちに気が付いた。

「こ、こ、こ、こんにちはっ。るぅですっ」
 緊張でどもった。これじゃあ、初めて女の子と話をするチューボーみたいじゃねえか。

「こんにちはー、るぅさん♪ 見た事あります~~ ちぅっ」

 おお! さっすが!! モフスタグラムの威力はすげえぜ!

 ちゅっ♪

 俺がゆりちゃんのケージに向かって鼻をひくひくさせていると、彼女も俺に鼻タッチをしてくれた。
 うおおおお!! いい感じなんじゃねえか!?

 俺たちがケージ越しに挨拶をするのを見ると、みずきたちは満足そうに離れていって、向こうのソファで世間話を始めた。

 聞き耳をたてていると、ヨーコはアニキの事を、うちの主人が~~とか、旦那が~~とか、やたらと呼んでいる。
 あの二人、いつの間に結婚したのか!?
 でもアニキの方は、そんなヨーコの勢いに押されているみたいだ。

 どうやら俺は、このままアニキんちに預けられるらしい。
 タイミングをみてーー とか、アニキが言っている。
 つまり…… ムフフ……っすね。

 みずきと親父さんは、もう一度俺のケージを覗き込んでから帰っていった。
 残されたのは、俺とゆりちゃん、そしてアニキとヨーコ。

「ヨーコ、調子に乗るなよ」
「だって、夫婦のふりをして欲しいって言ったのは、アキにぃでしょー」
 あー、やっぱりあれは嘘だったのか。

 つまりは一人もんだと怪しまれたりするから、夫婦のフリをしていたらしい。まあ、確かにこういう時はヤロー一人よりも女が一緒に居た方がいいもんな。

 俺とゆりちゃんは、ケージ越しに何度か挨拶を繰り返し、互いの匂いを嗅ぎ合い、だいぶいい雰囲気になってきた。
 彼女もご機嫌でまんざらでもないらしい。

「大丈夫そうだな。よっし、ケージの外に出すか」

 キタ――!!!!!
 俺やってみせますぜ! アニキーーー!!!

 === 砂時計(3分)の映像でお待ちください ===

 ふぅ…… 成し遂げたぜ……
 ゆりちゃんから誘ってきたくせに、最後はちょっとツンツンしてたが。いや。あれはあれでイイ……

 満足した俺がぐでっと寝転がっていると、ヨーコがこちらを睨んでチッと舌打ちをした。

 うん? 俺なんかしたっけか??


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