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最弱球団 高橋ユニオンズ青春記

(初出:旧ブログ2015/12/19)

 プロ野球通でもちょっと盲点だったりする高橋ユニオンズ。ミヤまるのこの本を読む前のユニオンズの知識といえば

・V.スタルヒン最後の球団
・『プロ野球ニュース』の佐々木信也が入団した球団。
・3年で解散

こんなもんである。高橋球団に触れた作品も『梶川一幸の犯罪』(赤瀬川隼。『深夜球場』収録の短編)くらいしか読んだことない。


 「永田ラッパ」こと大映社長・永田雅一が大日本酒造の高橋龍太郎を個人オーナーとして誕生した8個めのパ・リーグ球団は初歩からつまづく。永田と交わした他球団から有力選手を供出させる約束は反故にされ、大体が引退寸前のロートルばかりに。それでも1年目は6位という好成績を収め、「最下位の覚悟必要」という下馬評を覆す。しかし好調も長くは続かない。巻頭に掲載された解散の日に撮ったユニオンズの「U」の字を象った人文字の、ユニオンズの遺影とも言うべき写真が短命球団の哀愁を物語っている。

 50年代中盤の、ようやく稲尾和久がプロ入りするくらいのパ・リーグ創世記の空気がわかる一冊としても面白い。永田雅一の豪腕、あるいはワンマンぶりもこの本でなんとなくわかったし。

#野球 #ノンフィクション #高橋ユニオンズ #長谷川晶一

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