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63日目 中国と心付け(紅包)と安心感

中国は心付け(紅包)文化である。手術前には医師に心付けを渡す、受験対策ので雇った家庭教師には心付けを渡す、読経の前にお坊さんに心付けを渡す。そうすることで、手術はうまくいき、受験には合格し、故人は成仏することを期待している。

もちろん、心付けが無かったとしても、医師は手術に全力を尽くすし、教師は生徒が合格するように努力するし、お坊さんは故人の成仏を心から祈る。つまり、心付けとは贈る相手のパフォーマンスに影響を与えることはないというのが職業道徳的な建前である(かつてはそうではなかったが)。

では心付け(紅包)とは何か?これを単なる賄賂、袖の下と考えては理解を間違える。心付け(紅包)はあくまで自分の中での納得感、安心感でしかない。それを払うことで自分の行動の正しさに説得力をもたせるという意味合いのほうが強い。誰しもが大事な選択には納得感を持ちたいものだ。

今日も中国では自分的な納得感を求めて心付け(紅包)が贈られている。


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