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読書メモ:『読んでいない本について堂々と語る方法』

数年前のベストセラー書籍『読んでいない本について堂々と語る方法』を今さら読んだ。

読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫)

ひとくちに「読んでない」といっても、全く読んでない/題名しか見てない/目次しか読んでない/飛び飛びにしか読んでない/流し読みしかしてない……等のグラデーションがあって、我々は熟読以外の「読んでない」状態で作品に言及する場合というのも結構あるよね、と説く内容。

小説に限らず、映画でもアニメでもゲームでも音楽でも何でも言える話だよなー、これ。文筆業やってたら例えば、めっちゃ古かったりマイナーすぎたりでアクセス不能になってる未見の作品について、それでも何かしら言及しないといけないようなシチュエーションってあるし。そういう時は中身に踏み込まないで、市場やジャンルにおける作品や作者の位置づけを語るに留めるとかね。

筆者は探偵小説の構造批評にも実績がある人だそうで、そういえば探偵ってのは二次的・三次的な情報の次元から直には知らなかった人や物事について堂々と語る存在だなと得心。実際、本書でも『薔薇の名前』や『第三の男』などが引用されている。

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