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Xデザインで デザインプランニングを学んでみた

Xデザインリーダーコースの「チーム」に焦点を当てた学びは前回までで一旦完了しました。第4回目からは「デザイン」を主題としたマネジメントに関する学びが始まります。初回「デザインプランニング」は、デザインプロジェクトにおけるゴール設定とプロセス設計の解像度を上げることを目的とした、ワークも絡めた講義です。

1回目から3回目までの感想はこちら。

まず数あるデザインに関する思考フレームワークの中から代表的なものを把握し、「与件からの要件化」プロセスの理解を経て、最後に模擬プロジェクトプランとしてタスクパッケージを取りまとめます。相変わらずワーク時間が短くすぎですが、むしろ余計を切り捨てる訓練として良かったかも?ササっと書いた最初のスケッチが実は一番良かったってことおんなじですね。

「与件からの要件化」はかなり深いテーマで、特に新規事業開発などTOBE志向のプロジェクトの場合だと果てしない議論がありそうです。そのことについては、講義の中でも「ペースレイヤリング」や「プロジェクトの影響範囲」という概念を使って説明がされていました。

個人的には、『サービスデザインに期待する成果とは何か』についての定義や合意形成が、プロジェクト初期段階におけるかなり重要な論点ではないかと思いました。そもそもデザイン行為である場合、ざっくり言うと現状の観察・分析からの再構築、およびその反復を経て検討が進みます。ただ、最近の新規事業系のコンサル現場を考えると、それでは発想出来ないことや思いつけない『新奇性』もVUCA的な観点から求められていると思われます。そうするとやはり、インプット段階での与件がアイデアの成否を左右するのでは、という発想に至るのです。

現状からのプラスアルファや改善プロジェクトだとさほど問題にならないでしょう。ただプラットフォーム構築(プラットフォームとは何かというのも正しく理解する必要はありそうですが)においては、与件でつまづくとありきたりのアイデアにしか辿り着けないことも往々にしてありそうです。時間軸の設定も重要で、「不連続な変化」が突然やってくることを知ってしまった我々としては、以前だと「あり得ない」と捨て案とされた突飛なアイデアが実は金の卵である可能性を捨てきれません。こうした観点を踏まえた与件なのか、足枷せになる与件となってないかチェックすることは結構重要なポイントな気がします。

SF志向やスペキュラティブデザインが世間で持て囃されるのはこのあたりの問題意識と関連するのですが、一つのトライアルとしては、講義でも触れられていた「意味のイノベーション」だと思います。もはやデザイン系の名著として名高い、「突破するデザイン」を書いたロベルト・ベルガンティ氏が提唱する概念です。

意味のイノベーションの概念は素晴らしいのですが、実践が難しいのが難点です。一般的なデザイン思考と違い、内省的な批判プロセスであり、ディベート文化を前提とした手法なのです。実は私自身もこのメソッドを取り入れたワークショップを開催したのですが、日本人は結構抵抗がありますし寄せ集めチームだと信頼関係も築けてないので望ましいアウトプットを得るのは難しいと感じました。

インプットの問題なのか、それとも思考プロセスにおける質的課題なのか。要件化はゴール設定なので、受益者との目線の合わせ方もこれを考える一つのファクターになりそうですね。何かこのあたりを上手く整理できればな良いのだけれど。

次回はデザインマネジメント。今回は宿題が出なかったので個人的には良かったです。最近いろんなところで宿題もらいすぎだったので、今週は一息つけそうです。


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