ハルタと桜色の夢。(1)
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楽しそうな明るいわらい声で、ハルタは目をさましました。葉っぱの上でうっかりねむっていたようです。ちょうど子どもたちの下校の時間のようで、川ぞいの道を、色とりどりのランドセルをせおった子どもたちが、にぎやかに歩いていきます。
「あぶない、あぶない。あいつらに見つかったらたいへんだ」
ハルタは草むらにかくれながら、川の上流へとむかいました。おなかが空いたので、何かえものをさがそうと思ったのです。お日さまの日差しと秋の風が、ここちよい季節です。このところ雨がふっていないの