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口頭のみでの業務引継ぎに苦労させられてきた

口頭のみでの引継ぎ

今の会社はSlackによるテキストコミュニケーションがメインだからかなり改善されたが、それ以前の会社では、口頭コミュニケーションこそ全てという主義で、それに苦労させられてきた。

特に業務の説明・引継ぎでは、マニュアルもドキュメントも使わず口頭オンリーで説明され、それを必死でメモしなければならなかった。

「口頭のみのやり取りでは、言った言わないの問題が生じる」などと言われるけど、クソ企業で先輩上司から後輩に引継ぎを行うに当たっては「言った・言わない」の問題なんて生じない。生じるのは「言ったじゃねえかボケが」問題だけだ。

口頭のみ引継ぎは先輩上司にとっては絶好の武器

「上の者は口頭で伝えるだけで良い。それをメモしテキストの形にするのは全て下の者の役目」というのが浸透してしまっている環境では、先輩上司が口頭のみで伝えるのは当然で、そのメモに間違いが生じたら、それは全てメモし損ねた後輩のミスとされる。
だから、マニュアルなどドキュメントで伝えようというインセンティブが、先輩上司に働くはずがない。

口頭のみで伝えるという事は、非難されるどころか、メモし損ねた後輩をドヤしつける口実にすらなり得るのだから、それを武器に使う。そういう職場では、口頭のみで伝えたことに対して、後から後輩に質問されようものなら「さっき言ったじゃねえか。二度言わせんな!」と後輩を悪者にすることが堂々とまかり通る。

だから、ドキュメントを作る手間なんか掛けず、わざと口頭でしか教えないことをもって、後輩を自分に屈服させる武器として利用すらする。

だから彼らは、スクショとか取って丁寧にドキュメントを作る訓練を積まないし、そういうスキルはまるで身に付かない。
口頭コミュニケーションのみが全てという環境で、弱い立場の者を屈服させようという類のコミュニケーションしか身に付かないのだ。

二度言わせんなルール

口頭のみで引継ぎし、二度言わせんなルールをかざしてくる先輩上司には、僕はひたすら苦しめられた。

「たとえきちんと説明を聞きメモできていたと思っても、念のためもう一度確認しておきたい」などと言っても、奴らにそういう理屈は通用しない。とにかく二度目を聞いたということをもって問答無用に、こちらを非難し悪者にしてくる。それ自体が目的化している。

そうやって、二度目を聞いたという理由で咎めてくるとき、彼らは表面上は怒っているような態度を取ってくる。でも実際には怒っているのではなく、こちらをドヤし付ける口実ができたと内心ほくそ笑んでいるのは明らかだ。

二度目を言わせることがあったら、ちょっと答えれば数秒で済むことでも、何分も掛けてネチネチと責め立ててくることも珍しくなかった。
「それ、1ヶ月前に説明したばかりじゃねえかあ!」などという、頭のおかしい発言も平気でしてくる。

口頭のみで伝えることと「二度目を言わせるな」を両立させちゃいけないはずだ。「一回しか言わないからな」なんていう発言の愚かさ加減はよく指摘されることだが、ごく短くて端的に記憶に刻ませるのが容易なことであれば、一回しか言わないというのも有りかもしれない。いや、無しよりの有りかどうかも怪しいが。

でも、どんな長々とした内容でも全て口頭でしか教えず、それを「二度目を言わせるな」というのは、本当に伝える側の身勝手だ。

口頭のみ伝達は減らされるべき

自分は口頭でしか話さない。書く負担は全て相手に負わせれば良い。メモ間違いがあったら全てメモした側を徹底的にこき下ろせば良い。
こんなのがまかり通るなら、これほど説明者にとって都合の良い話は無い。

人にモノを伝えるときは、口頭のみではなくテキスト・ドキュメントをベースにすべしということを、もっと広く浸透させるべきだろう。

口頭で直接伝えることで誠意を示すというのが該当するケースもあるだろうが、それは一部のケースだろうし、テキストを併用せず口頭のみでやるのを正当化する理屈にはならない。

口頭のみ伝達を正しいやり方だと誤認していてはいけないし、ましてやメールなどより常に誠意のあるやり方だなどと考えていてはいけない。
メモし整理して理解する負担を相手に押し付ける、乱暴なやり方になることが多くあるのだということが、もっと広く理解されるべきだろう。

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