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表彰式に社名が映りこんだだけで株価が急騰?東京五輪、恐るべし。

7月26日、ホウスイ(1352)の株価が取引時間中に急騰しました。東証一部上場の食品卸会社である同社の株価を押し上げるような、新たな材料は見当たりません。ただ、日本証券新聞(2021年7月27日付け)によると、「表彰式のテレビ中継で堀米選手が金メダルを手にした背後に建物が映り」「スポンサーでもないのに社名が大写し」となったそうです。真偽はさておき、いかにも株式相場らしいエピソードです。

五輪などの国民的イベントをきっかけに、予期せぬ商品やサービスが人気を博すという現象は、過去にもたびたび見受けられました。2018年の平昌五輪女子カーリングチームがもぐもぐ食べていたお菓子「赤いサイロ」には当時、注文が殺到しました。

一方、今回の東京五輪では、スケートボード金メダリストの西矢選手がインタビューで話した「ラスカル」が話題になりましたが、残念ながら関連企業に「ラスカル効果」はなかったようです。今のところ。

57年前の東京五輪(1964年)では、TOTO社が納期に間に合わせるべくユニットバスを生み出したそうです。こちらは我々の生活にすっかり定着しています。今回の東京五輪でも、ユニットバスに匹敵するイノベーションが生まれることを期待したいと思います。

それにしても、今回のホウスイ株急騰で驚いたのは「国民の大半は、五輪開催に反対じゃなかったの?」ということです。関心が無ければテレビ中継を見ないし、背後に映ったホウスイの社名で株価が急騰することもなかったでしょう。事前の世論調査が間違っていた、というよりは、国民の変わり身が早かっただけの様な気がします。

テレビ画面にたまたま社名が映りこんだだけで、株価が急騰する。そんな抜群なCM効果を、国民への忖度で放棄してしまった五輪スポンサー企業は、今頃どう思っているのでしょうか。ま、株式市場が節操ないんですけどね。



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