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晶文社スクラップブック #モヤモヤの日々 自選8篇

昨年の12月22日から、晶文社スクラップブックで「モヤモヤの日々」という連載をスタートしました。この連載、なんと平日、毎日17時公開の夕刊コラムと銘打っていまして、つまり昨年末以降、平日は休まず更新しています。

ストック原稿は最初期にしかなく、現在ではほぼリアルタイムで執筆しています。ぎりぎりになりすぎて、編集担当の吉川浩満さんにご迷惑をおかけしつつも、なんとか「平日、毎日17時公開」のルールを今のところ守っていて、大型連休前の最後の更新(4月30日)で第88回目を迎えました。一番長く属した組織が小学校(6年間)という愚鈍な僕でもコツコツと続けることができるんだと証明するために、やめろと言われるまで続けるつもりです。

さて、そんな「モヤモヤの日々」ですが、「平日、毎日17時公開」ということで、夕方のチャイム、もしくは定時退社の時間を告げるコラムとしてたくさんの方に親しんでもらえるようになりました。でも、けっこう続けるのが大変だし自信がある連載なので、もっとたくさんの方に読んでもらいたい! ということで、今まで公開したコラムの自選集をつくってみることにしました。第88回を記念して、「モヤモヤの日々、自選8篇」をお届けします。

モヤモヤの日々は、どこから読んでもオッケー。読み飛ばしても楽しめるように書いていますが、連休中の読み物のご参考にしていただければ幸いです!(いわゆる複数回にまたがる「続き物」は1篇にカウントしています)

では、さっそく「自選8篇」を紹介していきましょう。

・1篇目
第10回 管理人さん   、 第19回 管理人さん(2)

こちらは常連読者さんの間で、おそらく最も人気のあるシリーズではないでしょうか。僕の住んでいるマンションには、「いい管理人さん」と「悪い管理人さん」がいる、というお話です。いい管理人さんと、悪い管理人さんのどちらが人気があるのか、筆者としても気になるところ。どちらも趣深いです。もしかしたら、また「管理人さん(3)」を執筆することになるかも。

・2篇目
第28回 偉い犬

「モヤモヤの日々」には、何人かの登場人物が出てくるのですが、愛犬ニコルは、その主要メンバーの一人(一匹)。とにかく偉いです。読んだ方から、「想像以上に偉かった!」との称賛の声がたくさん寄せられました。

・3篇目
第24回 バンドマン

小学校時代のリコーダー以来、まともに楽器に触れたことがない僕が、なぜか各所でバンドマンに間違えられるというお話。他社ですが、新刊『平熱のまま、この世界に熱狂したい』(幻冬舎)を担当してくれた竹村優子さんは、第23回 編集の竹村さん でもご紹介したとおり、いつもは冷静な方なのですけど、たまたま「バンドマン」を公開した直後に電話し、「この前のバンドマンのやつ、最高でした。ふふ。ほら、あれ、エレベーターで楽器を背負ってらっしゃらなかったからって、なんかご婦人が宮崎さんに…ふふ、あれとか、もう本当に可笑しくて。うふふふ」と興奮気味に話していました。

・4篇目
第43回 King Gnuの新井さん

僕は東京出身なのですが、東京といっても23区などではなく、西の奥のさらに奥にある東京都福生市の出身です。そんな僕が「東京出身」と名乗ることの違和感と、挫折と、King Gnu新井さんへのリスペクトを綴ってます。なんのこっちゃって感じですが、「福生もの」もこの連載のひとつの名物です。

・5篇目
第22回 お調子者

そんな僕が大学を卒業し実家を出て、地域紙(本社は福生)の記者をしながら地元の福生にアパートを借りて住んでいた、若い頃のエピソード。米軍横田基地がある福生には、いまだに地元の人が「赤線」と呼ぶ地帯が残っていて、当時お金がまったくなかった僕は、その地帯のほど近くに住んでいました。紹介してくれた不動産会社に勤める後輩から何度も「治安は悪いですからね」と念を押されたそのアパートで起こった「事件」(本当の事件です)と、人が「お調子者」になってしまう瞬間について書きました。この時期に起こった出来事については、もっとたくさんネタがあるのですが、ヤバすぎて書けません(笑)。行間から、いろいろと察していただけると幸いです!

・6篇目
第8回  彦

正月三が日が終わって2021年の最初に更新したからなのか、タイトルが地味だったからなのか、あまり読まれなかった回なのですが、個人的には思い入れの深い文章です。彦(ひこ)は、亡くなった祖父母の家で飼っていた、汚らしいけど、なんとも味わいのある雑種の犬です。その彦をめぐって僕がずっと不思議に思っていた謎が、長い年月を経て、今、解き明かされます。

・7篇目
第63回 目黒の秋刀魚

若かりし頃、ある社長さんと出会い、回らないタイプの寿司をご馳走になったときのエピソード。古典落語「目黒の秋刀魚」と、吉田健一の随筆「食べものあれこれ」(『舌鼓ところどころ』収録)を参照しながら、社長さんから教わった「大切なこと」について書いています。ああ秋刀魚が食べたい。

・8篇目
第83回 赤子はすごい


最後は、担当編集の吉川浩満さんをして「至高の短文」と言わしめた1篇。その日の朝、目を覚ましてから数分で起こった出来事を、その数分後には原稿にし、さらにその数分後に吉川さんに提出しました(公開は数時間後)。とにかく読んでもらえれば、赤子のすごさがわかるはずです。すご過ぎる。

以上です!

やっぱり自選って難しいですね。どれを入れるか入れないか。当然、僕としてはすべて思い入れのある原稿なので、8篇に絞るのに原稿を書く以上の時間がかかってしまいました。まだまだたくさんオススメしたいのですけど、まずはこの8篇から、そして面白かったらバックナンバーを読んでいただいて、次回の更新(連休明けの5月6日)をお待ちいただけると幸いです!

また、もしよろしければ読者の方の「モヤモヤの日々  ◯選」も聞かせていただけると参考になりますし、なによりも僕が大喜びします。ツイッターやnoteなどで、「 #モヤモヤの日々 」というハッシュタグを付けて投稿していただければ、必ず目を通すようにいたします(ちなみにこの連載ですが、盛り上がると、宮崎が元気になって連載の更新が途切れないだけではなく、書籍化も視野に入ってくるという、とても応援しがいのある連載です!笑)

それでは、連休も後半に差し掛かりましたが、皆様がリラックスして過ごせますように。5月6日17時に、また「モヤモヤの日々」で会いましょう。

宮崎智之




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