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宮崎の銀行の PER とPBRをみたらやっぱりひどいな、と思った話。

日経平均株価が 2024年2月22日に34年ぶりに過去最高値を更新しました。

NVIDIA の決算が好調だったことで、半導体関連や海外投資家からの知名度の高い銘柄が大きく上昇したのに伴い、その他の銘柄も概ね上昇したことで、日本経済にとっても歴史的な1日となりました。

私の保有している日経平均構成銘柄は下落しましたけどね。クソが。

さて、宮崎県内には県内に本社を有する上場企業は7社しかありません。

当然のことながら、これら7社は日経平均はおろか、TOPIX や JPX400を構成する銘柄ではありませんし、日経平均が過去最高レベルに上昇したからと言って「宮崎の景気には良い影響は波及しにくい」、と言いきって良いレベルだろうと思います。

市場関係者の解説を聞いても、日経平均は半導体関連企業とトヨタ、ユニクロ、任天堂など海外投資からも知られた一部有名企業が上がっているだけで、むしろ東証グロース市場指数は続落しているなど、日本全体の景気を反映したものではない、という論評が多いように思います。

むしろ「アベノミクスの間も河野俊嗣県政では宮崎はものすごい衰退し、さらに衰退が加速している」と個人的には評価します。人口もこんな感じで減ってますしね。

宮崎県の人口推移 令和3年まで

年度が進んでさらに減って、令和5年で103万人台になったグラフも作ったほうがよいのですが、気分も下がるのでアップデートしたくないレベルです。

その宮崎県が先日、県立病院に「運転資金」を「50億円を30年無利子で貸し付ける」と言うようなメチャクチャな予算案を提案しました。なんというモラルハザード。

日本政策金融公庫の一般的な中小企業への融資利率の表でさえ20年までしかないですよ。

年利2%でも、50億円を30年複利だと1.8倍の90億になるわけで、本当に運転資金で「返済が間違いのない貸出」であるならば、民間の銀行であれば毎年億単位の利息収入の利益を数十年に渡って得られる案件であるわけで「民業圧迫」とも言えますし、「そんなものなんで県民が最初から負担せねばならんのだ」、と個人的には思います。最初からまともな運営する気がないだろ。

一応、これについては自民党の県議が県議会で質問はしたようですが、どうせ「一応聞いた」というアリバイ作りのようなもので、承認はするんでしょうね。

どんな説明しても「運転資金」なんて理屈で「30年もの無利子貸付」の説明がつくわけありませんし、理解できるわけがありません。これをを承認したら、宮崎県の県議レベルの低さを全国にまた晒すことになると思いますし、この泡沫Noteではボロクソに書きますけどね。

将来も宮崎で幸せに暮らし続けたいと思っている若者のために。

私はこんなモラルハザード県政の尻拭いの負担などしたくないので、生まれ故郷ですが10年以内に出ていくと思いますけど。

その頃にはもともと地縁のない河野俊嗣現県知事も、宮崎には親戚も一人も居ない状態で、さらなる県民負担がが発生しても1円も負担しないので逃げ切るのでしょうし。

さて、やっとタイトルの銀行の話にもどります。

でもなぁ、これを宮崎の7社しかない上場企業のうちの2つ、宮崎銀行や宮崎太陽銀行に貸付をさせても(県立病院に民間銀行が貸付できるのかも知りませんが)、まともな病院経営の監視・コンサルティング機能は働かんよなぁ、ということも一方では思うわけです。

宮崎県内の銀行の全国的な位置づけを、日経平均が史上最高値を更新した2024年2月22日の終値ベースで銀行業の PBR と PER を証券会社のツールで軽く検索してみました。

2024年2月22日の終値ベースで国内上場の銀行業の PBRで並べ替えたもの
2024年2月22日の終値ベースで国内上場の銀行業の PERで並べ替えたもの

それにしても、日本の地方銀行軒並み PBR  0.2倍台ってどういうことだ、って感じですね。発行株式の時価総額が簿価の4分の1程度なんて、原理原則からしたらありえない話ですし。

その中でも宮崎県内の銀行はひどいです。

宮崎太陽銀行に関しては、なんとPBRは全国の銀行の中でワーストタイの0.18です。宮崎銀行も 0.28でワースト20にはしっかり入っています。

PER も宮崎太陽銀行も宮崎銀行も仲良くワースト10入りです。

この Note では何度も言及しているように、宮崎県は大企業従業者比数が県庁職員数より少ないという歪な就業構造の中小零細企業ばかりの県で、補助金や利息さえ支払えないレベルの「ゾンビ企業率」が全国でワーストレベルで多い県です。

そのため、本来の地方銀行の本業であるはずの「企業への貸出」での資産が帳簿上は大きくても、実際には貸し倒れリスクがあるため、それを市場には「地方銀行にまともな経営支援・改善能力なんてない」と見透かされて、日経平均が過去最高を記録した日にさえ、PBRが1倍を大きく下回っていても株価の割安感も出ずこんな数字のままなんでしょう。

それでも、日経平均が爆上がりしてますから、銀行が運用している株式価格の上昇で、本業であるはずの企業への貸付業務が低調に推移していたとしても株の運用利益が上がるため、今年の3月の本決算まではなんとかのりきれそうなのは救いです。逆に来年度は更に心配が増しますけど。

官公需や補助金依存のゾンビ企業ばかりの地方で、その経営を改善するための人材も、国の中小企業支援の補助金事業など官公需でしか食えない経営能力のない県庁職員OBや宮崎銀行OBのばかりです。

「ミイラ取りがミイラになる」なんて言葉もありますが、宮崎の場合はよりひどい状況で「ゾンビ企業退治に行くのが元から補助金ゾンビ」みたいな状態なわけですよ。しかも、補助金ゾンビが一番威張ってたりします。

ざっと宮崎県内ニュースを見回しているだけでも、至る所でモラルハザードが吹き上がっている状況において、地方のゾンビ企業を適切に潰して、モラルハザードを少しずつでも解消していかないと、本当の意味での地方の復活はありえないし、むしろ地方のモラルハザードこそが次の景気低迷の最大要因にさえなりかねないと危惧します。

少なくとも、公開の株式市場で、PBR が0.3にも満たなかったり、PER が10倍に満たないような地方銀行がいくつも存在し続けることができるような状況は、地方経済の構造改革とともに解消されていくべきものではないかと思います。地元を応援しようにもこんな訳の分からない指標の銀行株なんて怖くて買えないですよ。

現状でさえ、「どこから手をつけたらいいかもわからない」位の状態ですが、なんとか改善してほしいものです。個人的には、現県政任期中のハードランディングでもやむなしとは思っていますが。

タイトル画像は PowerDirector365 の画像生成AI で作成した
「ゾンビと戦うゾンビ」
です。

追記の記事を書きました。


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