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自民党が選挙で負けるのは結局のところざっくりワンパターンしかないのかも。

今週の宮崎県知事選挙は、自民党やその他業界団体が推薦する現職の知事が4選をはたしました。

現職は前回の県知事選挙より投票率が上がったにも関わらず、得票数を下げ、投票率が上がった分はまるまる東国原氏に票が流れていることから、全く一般県民からは支持されていないにも関わらず、組織の引き締めによってなんとか逃げ切ったという形でした。

この2年で宮崎県宮崎市の選挙区で自民党から立候補した候補は、決して人気の高い候補ではなかった、と言って差し支えないと思います。

昨年の衆議院選挙では、車検切れの車でひき逃げをしたことが報じられた武井俊輔候補で、当初の予想では立憲民主党の候補に大きく引き離されて比例復活もできずに負けるであろうと予想されていましたが、いやいや最終的には大接戦に持ち込み、僅差で選挙区で負けたものの比例復活は果たしました。

衆議院選挙2021 宮崎(都城・延岡など)開票速報・選挙結果 小選挙区 NHK

今年の参議院選挙では、週刊文春から中国人女性との不倫関係を週刊文春から報道された松下新平候補が立候補しましたが、保守王国の候補としてはかなり低い得票率ではあったものの、なんとか当選を果たしています。

宮崎 参議院選挙結果・開票速報 参院選2022 - NHK

そして、今回の県知事選挙でも、自民党県連や業界団体が押す不人気の現職もなんとか当選を果たすことができたわけです。

宮崎県知事選|地方選挙 | NHK選挙WEB

このことは、宮崎のような地方でイデオロギーばかりを唱えて、県民の生活に関わる有効な経済対策など全く示さない立憲民主党やその他の左派政党の不人気による部分も大きいですが、やはり自民党が長年、地域の生活に関連した利益誘導を地道に行ってきた実績の底堅さによる部分が大きいでしょう。

この2年の上記3つの選挙の中でだいたい見えてきたのは、自民党やその支持団体はほぼ確実に有権者の25%前後取れるけれども、それ以上となると組織の引き締めが入ってもかなり伸び悩むようだということです。

ということは、投票率が60%~70%になれば、自民党は負ける可能性が大きくなるということです。

それでは、どういうときに投票率が上がるのかです。おそらく、テレビや新聞で一生懸命投票に行きましょう、と呼びかけても上がらないでしょう。

投票率が上がるのは、有権者の日々の生活の不満が大きく蓄積して、現状の政権に不満が高まったときでしょう。

今回の県知事選挙については、現職が不人気の県外出身の役人であったため、その不満が高まっていた折に、東国原氏が立候補したことで、投票率の飛躍的な上昇がありました。

しかし、自民党は負けませんでした。まだ、人々の不満が極限まで高まってはいなかったため、不満を持つ人の数が、現状の政権を支持する人を上回れなかったということでしょう。

それでは、自民党が負けるときというのはどういうときか、ということを考えてみると、過去自民党が下野したときには、その前にバブルが崩壊しています。そのワンパターンしかないのかもしれません。

1993年の細川内閣が発足したときには、その前に不動産バブルがありましたし、2009年の民主党政権発足直前にはリーマンショックがありました。

結局、そのレベルでバブルが崩壊して、人々の日々の生活に相当に影響するほど景気が悪くならない限りは、日本の大多数の有権者はわざわざ自民党以外の政党に投票するために選挙にはいかないということでしょう。特に宮崎では。

それでは、これから先バブルの崩壊は来る可能性はあるのでしょうか?個人的には、それは非常に近いタイミングに迫ってきたのではないか、と感じています。

一つ前の記事で書いたように、帝国データバンクの調べでは、全国のゾンビ企業の割合がこの2年で急速に増え、昨年度末にはリーマン・ショック時の水準に急速に近づきつつあります。

コロナ禍での自民・公明の一律給付金を始めとした緊急支援と称した生産性の極めて低い様々な個人や中小企業にばらまくガバガバな政策は、政権に長くい続けたおごりからか、もうすでに限度を超えた状態に見えます。

コロナの収束を見据えて、そういったガバガバな政策をやめなくならなくなってきていますが、すでに倒産も増え始めていますし、このゾンビ企業率だと12月~3月の年度末にかけての支払いができない企業も増えてくるはずです。2022年度はなんとか乗り切れても、その1年後には持ち直す要素も少ないでしょう。

個人的には、自民党が嫌いなわけではないですし、皆さんの生活が安定していて、自民党が政権に居続ける状態のほうが望ましい状態だと思っていますが、ちょっと自民党の先が危うくなってきている感じがします。

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