マガジンのカバー画像

インクルーシブの種

4
誰もがありのままの自分で参加できる社会になるように、みんなで考えていきたいことをまとめます。
運営しているクリエイター

記事一覧

「読み書き障害」がある僕が、学ぶ楽しさを持ち続けられた理由。 〜合理的配慮を受けて学んだ若者の今を追う〜

「障害者差別解消法」の改正に伴い、令和6年4月より行政機関だけでなく民間事業者も、障害のある人への「合理的配慮の提供」が義務化される。しかし、その事実や詳細については、まだまだ認知されていないのが現状だ。 教育現場では、7年前から「合理的配慮の提供」が始まっており、特別な教育的支援を受けて学んだ子どもたちが社会に出始めている。合理的配慮とは何か、それがどのような効果をもたらすのか。 困難な状況がありながらも、自分に合った学び方で力を蓄えた若者が、いきいきと夢を追う姿を通し

友だちいないとダメですか?

「友だちいなくても大丈夫。そう言ってくれる先生が一人でもいたら、子ども時代をもう少し楽に過ごせたと思う」——子どものころ友だちがいなかったという若者がこぼしたその言葉を、聞き流してはいけないと思った。 この若者のように、今現在も友だちがらみで悩んでいる子どもはたくさんいる。中でも気になっているのが「友だち」というものに対する価値観の違いや既成概念に悩まされているケースだ。 そもそも「友だち」とは何なのか。辞書にはこうある。「互いに心を許し合って対等に交わっている人。一緒に

そのバリアみんなで取り除いていきましょう|令和6年4月から、障害者差別解消法が変わります。

4月1日から「障害者差別解消法」の改正法が施行されました。それにともない、行政機関だけでなく私立学校や民間事業者にも、障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されます。みなさんに関係があることなので、ぜひ読んでいってください。ぺこり。 社会全体の生活様式というのは、多数派の人たちが暮らしやすいようにできています。物理的環境、制度、慣習や文化、観念などが多くの人たちの「当たり前」で作られていくのはある意味自然な流れだったのかも知れません。しかし問題は、そうして作られた環境が、

キシタコウシ

木下航志というミュージシャンをご存知だろうか。先月、私が勤める高校で彼のライブを開催した。高校生と一般客約800名の観衆が、彼の奏でるピアノと歌に耳を傾けた。彼から紡ぎ出されたメロディーは、白く滑らかなスパイラルとなって聴く者の懐にスッと入り込んでくる。心が浄化されていくような清々しさと、胸の奥にぽっと火が灯るような熱を感じたLoveでPeaceなライブは大盛況に終わった。 彼の存在を知ったのはネットニュースだった。「和製スティーヴィー・ワンダー」ー未熟児網膜症のため視力を