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Canon(カノン)

「あれはだめ、これはだめ」というめもりのついたはちまきが、
頭にしっかりこぶ結びされた。
 
がんばる私は、たくさんほめられて、
必死に誰よりも早く登りつめていった。
 
 
そうしたら、そうしたら、、、、、
、、何もなかったんだ。
 
 
あれだけ登ったのに、みんなにおいてきぼりにされてる。
 
疲れきった私はくずれおち、ぼうぜんとした。
 
私は今まで、何をやってたんですか?
 
私はわなわなと震えた。
 
 
 
 
 
「降りていいよ」
 
遠くで笑ってくれてる人がいる。
 
手を振ってた。
 
本当にいいの?
 
私はここで、優等生でいなきゃならない。
 
降りるのが怖い。
 
降りたら、何があるの?
 
「きれいな泉。」
 
 
 
「ほら、階段があるよ。降りておいで。」
 
らせん階段を手をつないで一緒に降りてくれた。
 
一歩一歩降りてきた。
 
何だかとっても長いわ。
 
それに降りるのって簡単そうで、難しいわ。
 
「一気には降りられないんだよ。」
 
 
私って、こんなに変てこだったのね。
 
許してくれる?
 
「うん。」
 
 
ここからは、みゆきさんの階段だから、一人で歩くんだよ。
 
私はふらふらしながら、またその階段を降り始めた。
 
安心の階段。なのに、見えないの。
 
はちまきがどこかにいっちゃいそうだ。
 
 
降りてきただけなのに、おかしいわね。
 
 
お友達が増えてきたわ。
 
 
 
私は、私は、生き生きしてる!
 
 
あれ?あれっ? ねぇ、
 
なんだか、できるようになったことがあるよ。
 
なんだい?
 
 
 
✴✴「自由」と「ほんとの笑顔」
 
 
空から斜めの光る線が、いっぱいやってきている!
 

絵:kotori

詩:kotori
 

作文が入選しました。 「恨みに恨んだ父母との関係」は、 私が両親のことを 恨み、怒り、嫌っていたのをやめてみた時に 起こった出来事をつづったエッセイです。