繊細さん 昔言われたあの人のあの一言、思い出してはむかついてしまう

それは昔あの人が言ったこと。昔あんなことを言われた、あの時私は傷ついた。今も思い出して嫌な気持ちになる。繰り返し繰り返し傷付いている。あなた昔言ったよね、あんなこと言うなんて、ほんとにひどいわ。むかつくわ。今でも覚えてる。今でも忘れない。なんであんなこと言ったの?あなた覚えてる?

そんなことが本当に、本当に数え切れないくらいある。

繰り返し思い出してしまうのは、今も身近に付き合いのある人の言葉。もう顔も合わせない人の言葉はそんなに頻繁に呼び起こされない。(年に一度くらいはある)けれど、親とか、子どもとか、パートナーとか、義理の親とか、義理の子どもとか、今も顔を合わせる人、関わりのある人の言葉はひどい時はほぼ毎日思い出しては怒っている。

嫌いな人ならともかく、その人のことは好きなのに、ただあの時のあの言葉は許せないとか、急に思い出して今のその人に攻撃してしまいそうになったりとか、自分でもほとほと参る。

今その言葉を自分に投げかけているのは、今のあの人ではない、あの時のあの人でもない、ただの記憶

そう。過去のあの人は過去の私に向かってあんなことを言った。あんなことをした。でも今の自分に向かって言っているわけではない。今、そのことを思い出して、頭の中で怒り、反論してる私は、当然今のあの人と喋っているわけではない、そして、あの時のあの人と喋っているわけでもない、自分の記憶と喋っている。

どおりであの時のあのことを今のあの人に言ったところで、話が噛み合わない。今の自分だって、それを言われた当時の自分ではない。

だとしたら、今の自分は自分の記憶に話しかけられて、怒っているのだから、怒りの矛先は、今のあの人ではなくて、記憶である。

記憶との会話

記憶「僕は否定なんかしてない。捉え方の問題。君の言うことは詭弁だ。否定されてるって言ってる君の方が僕のことを否定してると思わない?」
私「私は否定されてると感じてる。自分はそう思わないと言う前に、君はそう思うんだね、と一言挟んでくれるだけで良い」

記憶「それは君のスタンスであって、僕のスタンスを自分と同じスタンスに変えようとするのは間違ってる。」

記憶「そんな風に攻撃的な話し方をするなら話したくない」
私「攻撃的な話し方をしないで、と言えば良いのに、話したくない、というのはその方が攻撃的だと思わない?」

こんな風に私は記憶と会話している。

誤って今のあの人にこんなことを言っては、絶対にいけない。これはただの記憶だからだ。記憶の中のことを現実に持ち出してはいけない。夢の中で言われた、と同じくらい、今の当人には関係ないからだ。

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