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2021に見た映画からいくつか

昨年の春から、映画館に定期的に足を運ぶようになった。
娘が小学校に入学して、自分のための時間が増えたタイミングで、近くに素敵な映画館を見つけたのだけれど、そこが毎月おすすめ映画を上映してくれるので、ついつい見たい映画が増えるのだ。

ということで、去年見た映画から印象深いものをご紹介しようと思う。

▶︎ブータン 山の教室

標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。人口わずか56人のルナナには、電気も携帯電話もない。『ブータン 山の教室』に登場するのは、実際にルナナで暮らす人々だ。ブータンの新鋭、パオ・チョニン・ドルジ監督は、人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。グローバル化が進み、世界の景色が単一化するいま、この作品は私たちに“本当の豊さとは何か”を教えてくれる。

公式ウェブサイトより


これは、人間のあたたかさに満ちた映画で、1センチくらいの厚みの涙がだーーーあっと流れた。「教師は未来に触れることのできる人」という言葉が、なぜか強い印象で光った。私も、子供たちにとっての未来でありたいなあ。


▶︎ペトルーニャに祝福を

32歳のペトルーニャは、美人でもなく、体型は太目、恋人もいない。大学で学んだのに仕事はウェイトレスのバイトだけ。主義を曲げて臨んだ面接でもセクハラに遭った上に不採用となった帰り道に、地元の伝統儀式“十字架投げ”に出くわす。それは、司祭が川に投げ入れた十字架を男たちが追いかけ、手に入れた者には幸せが訪れると伝えられる祭りだ。ペトルーニャは思わず川に飛び込むと、その“幸せの十字架”を手にするが「女が取るのは禁止だ!」と男たちから猛反発を受け、さらには教会や警察を巻き込んでの大騒動に発展していく・・・。

公式ウェブサイトより

ものすごいいろんな感情で揺さぶられた、私にとって、まさに今年のベストムービーだと思う。女性であることで被る不益には憤ったし、多様性ある社会というものを私が強く求めていることを認識した映画だった。

映画が描くペトル―ニャの思いは性別だけでなく国籍、出自、セクシャリティ……など、多様な社会に生きるあらゆる人々に普遍的なもの。それがままならない世の中と戦い始めた彼女が、周囲に投げかける「なぜ?」は、つまり現代社会にすべての人の「なぜ?」でもあるのだ。

公式ウェブサイトより

▶︎Summer of '85

1985年夏のフランス、進路に悩む16歳の少年アレックスは、自然体で飄々とした18歳のダヴィドと出会い惹かれ合う。忘れられないひと夏を共にする2人の少年を演じるのは、いずれもオゾン自らオーディションで見出した注目の若手俳優。主人公のアレックス役を務めるのは、フェリックス・ルフェーヴル。あどけなさの残る顔立ちで、初めての恋の喜びと痛みに翻弄される16歳の少年を感情豊かに熱演している。アレックスと恋に落ちるダヴィド役には、バンジャマン・ヴォワザン。アレックスに愛を注ぎながらも、自由奔放でどこか生き急いでいるような、危うい18歳を繊細に演じ切った。二人は撮影前から意気投合し、劇中でも息の合った演技を披露している。

公式ウェブサイトより

色調、音楽、ファッション、インテリア、何もかもが美しくて、まさに青春の色。若い頃の、どうにもならなさ。焦り。固執。そういう儚いからそ美しいものに溢れてる。写真集欲しい。

▶︎ノマドランド

企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーンは、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。
ファーンを演じるのは、『スリー・ビルボード』で2度目のオスカーを手にしたフランシス・マクドーマンド。実在のノマドたちのなかにマクドーマンド自らが身を投じ、彼らと路上や仕事場で交流し、荒野や岩山、森の中へと分け入っていく。ジャオ監督と共に、ドキュメンタリーとフィクションの境界線を軽々と超えて、全く新しい表現ジャンルを切り開いた。

公式ウェブサイトより

日本でノマドというと、どちらかというと若年層で、楽しく地域をホッピングしながら暮らすイメージだったので、そんなイメージで見に行ったら全くの別物で唖然。生きることの厳しさ、それでもやめないこだわり。行く先々での交流。大人の旅だからこそのしんどさと厳しさと希望がある。


どれも上映は終わってしまっているかもしれないけど、
どこかで見れそうだったらぜひ!

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