見出し画像

【ドラマと読書感想文】この感情は同族嫌悪かもしれない〜青春のリグレット


みゆです。

Small Worldさんのつぶやきを拝見して。

ユーミンの曲を題材にしたドラマが始まるとのことでした。
第1弾は青春のリグレットなのですが、この記事を拝見した時はもう3話目だったので金曜日の再放送で4話分録画して一気見しました。

見終わって、何とも言えない気持ちになったので、あまりドラマの感想文は書きませんが挑戦してみようと思います。

++++++++++++++


1話目からずっと感じるザワザワした感じ。これは一体何なんだろうか。

夫と二人で八ヶ岳のコテージへ向かうところから物語は始まる。
ノリノリの菓子かこに対して夫は何だか乗り気ではない。なぜだろうと思いながら画面を見ていく。

菓子は学生時代は、なかなかのイケイケ(死語)だった模様。結構男関係は派手だったようだ。付き合った数だけ多くて、真剣な恋愛をしていた風には私には思えなかった。
彼女は、自分の本音を隠して上手い事周りに合わせる事でスイスイと世の中を渡って生きているようだ。それも一つの生き方だし、処世術の一つだと思う。

夫と結婚したのはいいけど、愛情が自分に無い事を感じている。しかも、夫は浮気している。

それで気持ちを取り戻そうと奮発してコテージにやって来たのに。

晩に夫に迫ったら、拒否されちゃったのだ。それだけでなく離婚を切り出される始末。ああ、こんな時に言わなくても、って私は思った。菓子に同情していた。そう、この時までは。

コテージを飛び出した菓子は、元彼とかつて泊まった事のあるコテージへ向かう。そこには、大学生の男女が合宿なのか大勢でワイワイしている。その中の一人の青年に声を掛けられて、トイレを借りるついでに中に入ってしまう。

青年と話しているうちにいいムードになってしまうのだけど、なったというかコトに及ぼうとまでしたんだけど!!
でも、そこで元彼とのかつての事を思い出してコテージを飛び出していく。
半分ヤケというか、どーでもいいやと思ったのだろうが、危ないなぁと思ってしまった。まあ、意外と当の本人は何とも思っていなかったりするものだけど。

結局、夜も更けてコテージに戻って一人で寝てるところが笑える。夫はソファで寝落ちしているし。

元彼との思い出部分がこれまた胸糞展開だ。

合コンでマウントを取りたがる女子に「露天風呂でやっちゃった」話をバラされて、変な盛り上がりをする菓子たちを遠巻きに見て心配している元彼。一人でいる菓子の所へいき「大丈夫?」と声を掛けるのだけど。
菓子は「友達じゃないし、嫌いだから平気」とあっさり答えていて笑えた。
そういうの、分からない事はないけど、かなりやさぐれてるなとは思う。

なぜか二人は付き合う事になったけど、このくだりが非常にムカつくのだ。

穏やかで優しい元彼の事が平凡でつまらないと思うのか、菓子は非常に素っ気ない。いつもつまらなさそうな顔をしている。元彼が可哀想で泣ける。

元彼は奮発して、くだんの八ヶ岳のコテージに旅行に連れて行ってくれたのに。
行きの車の中からつまらなそうな顔をしている。何か提案してくれても、つまらなさそうな生返事ばかり。

コテージに着いて、若い二人だから明るいうちから行為を始めてしまうのだけど。

一生懸命な元彼に対して、冷めた顔をして淡々としている菓子。あーあ、と思うも、この部分はちょっと分かる。やっぱり気乗りがしなければ、ねぇ。淡々としちまいますわね。女性は感情が入らないと淡々としてしまうのかもしれない。って知らんけどw

翌朝、ついに事件が起こる。あまりにつまらなさそうな菓子に対して元彼が意見を言ったのだ。そこから自分に対する愛情が無い事が分かって、ショックのあまりグラスを叩き割って怪我をして……。

別れ際に「また10年後に会おうよ」って別れるのだけど。

書いていながら、またモヤモヤが募る。何なんだ、一体。
私も大概な女だけど、ここまでじゃない(と思う)
結局、菓子が夫からされている事は、みんな過去に自分が元彼にしてきた事なのだ。

翌朝、夫と和解した風だったので離婚は回避したのかと思ったら、離婚はしたみたいだ。新しい部屋に引っ越した所でドラマは終わっていたから。

旅行から帰った後、10年ぶりに元彼と会ってもいた。元彼は結婚して普通の会社員をしていて幸せそうで良かったと思った。

このドラマ、青春のリグレットとして見ていなったら良かったのかもしれないけど、思っていたのと違っていたし、非常に後味が悪いドラマだと思った。

++++++++++++++

実は、このドラマは原作がある。
ユーミンの曲を題材にした短編集なのだ。私は、ドラマとの答え合わせがしたくて、電子書籍をダウンロードした。

青春のリグレットは綿谷りささんが執筆している。
答え合わせが早くしたくて、私にしてはとても珍しくその日のうちに青春のリグレットの部分を読んでみた。

正直にいうと、この小説も胸糞が悪かった。
言葉がとても悪いとは思うけど、何だか読んでいてゾワゾワするのだ。

こちらは、ドラマとはまた違ったシチュエーションだ。
冒頭から離婚を言い渡された菓子の様子が書かれている。ドラマでは旅行にいくけど、こちらでは寒い部屋での様子だ。しかも、お腹が空いて冷蔵庫や戸棚を探すもろくな物が無く、頂き物の蟹缶をどうするか、みたいな話が出てくる。何でも、手を傷つけるのが嫌で缶詰を缶切りで開けた事がないんだとか。

ふーん、そんな人いるんだぁというのが正直な感想。まあ、私はマッチがろくに扱えないので人の事は言えないのだが。マッチの火をつける事はできるけど、火が軸を伝って手を火傷するのが怖くて火をつけたマッチを投げ捨てたくなってしまう。ほんと、マッチを使うのは怖い。チャッカマンは最高にありがたい商品だと思うほどに。

さて、小説でも元彼との出会いから別れまでが描かれているけれど、こちらも胸糞展開だ。読めば読むほど元彼が可哀想に思えてならない。

心の優しい穏やかな元彼。菓子に喜んでもらおうと日々尽くしているのに、つまらない男認定されて、内心別れようと思われている。

私が思うに、付き合うにはつまらないかもしれないけど、結婚するならこんな人がいいのではないかと思う。付き合うなら、刺激的な男がいいに決まっている。だけど、結婚は日常だ。日常が刺激的すぎるのはたまらないだろう。何というか、私の恋愛観みたいなものはちょっと人と違っていてオカシイのであまり参考にならない意見だとは思うのだけど。

元彼と旅行に行ってコテージに泊まるのは同じだった。そこでつまらなさそうに行為をする事も。ドラマよりもよりつまらなさが表現されているように思った。

翌朝の出来事はドラマではガラスで怪我をする流れだったのだけど、小説ではちょっと洒落にならないかもしれない。元彼が菓子の首を締め上げてしまうのだから。もちろん、そこで終わって殺人事件にはなってはいない。

いつも優しい元彼がそんな事するなんて、よほど傷ついてしまったのだろう。だからと言って、そんな事をしてもいいという理由にはならない訳だけれども。

ドラマでは元彼と再会したけれど、小説では再会はしていない。今更会えないという事で。

青春のリグレットはサクッと読める。だけど、胸糞が悪い。読み終わってからもいつまでもねっとりとした黒い感情がトリモチのように心にへばりついている。

++++++++++++++


青春のリグレット。
この曲は「私を許さないで 憎んでも覚えてて」ここに尽きるのだと思う。
自分の爪痕を相手に残しておきたいというのだろうか。

再会した相手とかつての出来事を笑って話せたらいいね、とかそんな事あるはずがない。そう私は思っていた。

だけど、しばらくして私は再会してしまった。相手は、よくここで書いていた人。
どうしても会いたくて、電話してしまった。そして、ランチに行く事にしたのだった。私は休みで相手は仕事で。家に迎えに来てくれてランチに行ったのだけど、確かムードも何もないガッツリご飯が食べられるお店だった。ハンバーグか何かを頼んだ気もするけど、今となっては覚えていない。

にこやかに話は弾んだ。偶然再会した時、私が相手を睨んだとか言われてしまった。あれは睨んだんじゃなくて、動揺しただけなのに。
久しぶりに会って、楽しかった。こうやって普通に楽しく話したかったんだなと改めて思った。

ランチを食べて家まで送ってくれた時、相手は私に言った。
「彼氏と楽しく過ごしなよ」
私は、言外に「もう連絡してきたらだめだよ」という事を感じ取った。もうこれで終わりなんだと改めて思った。

あれから私はもう2度と相手に連絡する事もなかった。でも、この曲の様に「憎んでも覚えてて」と思ってしまった。私を思い出して、私を傷つけた事を後悔すればいい、私を振った事を後悔すればいい、そう思った。今でもそう思っている。

人からされた事は覚えているけど、人にした事は逆に覚えていないのかもしれない。

私にはひどい事をしてしまった人がいる。

その人の好意に気づいていて、私も気のある素振りをして都合よく利用してしまった。若くて傲慢だったから、ひどい事も平気でしてしまった。
今思うと、後悔しかない。

でも私は、青春のリグレットのように「私を許さないで 憎んでも覚えてて」とは思わない。私の事なんて綺麗さっぱり忘れていて欲しい。そして、お酒の席で「昔ひどい女にひどい事されたんだよ」って笑ってネタにして欲しい。
私の事なんて覚えていなくていいと本当に思う。

そんな事を思うのは、この人の事を愛してなんていないからなのかもしれない。

自分語りまでしてしまったけれど、ドラマと原作を読んで胸糞悪く、モヤモヤとするのはおそらく同族嫌悪だからなのだろう。私の事を客観的に見れば、きっと菓子のような自分の無い、流されるままに生きるヒデー女なんだと思う。

++++++++++++++


思ったより長文になってしまいました。
何だか、ドラマを視聴し、原作を読んだらずっしりときました。しばらく引きずりそうです、何となく。


今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪



この記事が参加している募集

読書感想文

テレビドラマ感想文

もしも、サポートをして頂けましたら、飛び上がって喜びます\(*^▽^*)/ 頂いたサポートは、ありがたく今晩のお酒🍺・・・ではなく、自分を高めるための書籍購入📙などに使わせて頂きます💚