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初めてメイクしたのは高校1年の時だった


初めてメイクをしたのは高校1年の時だった。

私は中学2年の頃からレモンという雑誌を読んでいた。レモンは占いやおまじないが載っていて、ファッションやメイクの事も載っていた。その頃の私はそういう事に興味はあったものの、田舎のダサい中学生だった。髪の毛もおしゃれな美容院ではなく、母が通っていた近所のおばちゃん御用達のパーマ屋さんに行っていて、校則順守の段カットみたいな髪型をしていた。(当時はみんなそんなものだったと思うけれど)

あの頃はどんな服を着ていたのだろう。部活でも着るようなスポーツブランドのTシャツなんかを着たり、おしゃれな叔母のお下がりも着ていたような気もする。部活をしていたからそんなに出掛ける事もなかったし、校区外に行く時は制服を着て行くという校則もあったりしたので、そんなに外出着も要らなかったように思う。

そんなだから、メイクなんてまったく必要なかった。むしろ、中学生でメイクなんてしちゃいけないと思っていた。それでも可愛い服や化粧品には興味はあったので、レモンを熟読しては服や化粧品の事を勉強していた。

中学3年の誕生日の時、仲の良い友達数人からプレゼントをもらった。そのプレゼントはアイプチとビューラーだった。その頃の私は一重みたいなはっきりしない目元が悩みだったので、そのプレゼントはとても嬉しかった。私の誕生日は1月の月末で受験前だったので、受験が終わったら使おうとその日を楽しみにしていた。

受験が終わったら、早速アイプチを使ってみた。ぱっちりした二重の私がそこにいた。ただ、見慣れないのでなんだか不思議で変な感じがした。でも、やり方が下手だったのか「アイプチで二重にしました感」が半端なかったので、家にいる時だけたまにアイプチで二重を作ってみる事にした。(20歳前位に突然二重になったので、その頃からはアイプチは使っていない)

高校生になると、新しい友達ができたりして交友範囲もぐんと広がった。

雑誌もレモンを卒業して、オリーブやananみたいなファッション誌を読むようになった。そこには可愛い洋服がたくさん載っていて、とてもとても楽しかった。ノンノなんかも読みだして、そこには洋服の他にもメイクの事なんかもたくさん載っていた。

学校の帰りには、洋服屋さんを見て回り、ティーン用の化粧品のチェックも欠かさなかった。

そのおかげか、ダサかった私もおしゃれに目覚めてしまった。服を買う時も、雑誌に載っているようなブランドの服は買えないので、安いお店で似たようなおしゃれに見える服を選んで買ってみた。それをコーディネートするのは楽しくて、いつの間にかちょっとおしゃれな人の扱いを受けるまでになった。

こうなると、次はいよいよメイクだ。
ある時、お姉ちゃんがいる子が「メイクやってみようよ」と誘ってくれた。とりあえず、その日は友達の化粧品を使わせてくれた。

仲良しグループのみんなでメイクしていく。
まずは下地を塗って、ファンデを塗って。アイシャドウ、チーク、リップと恐る恐る塗っていく。「アイシャドウはこう塗るんだよー」って見本を見せてくれた。その時塗ったのは何色だっただろう。黄色かオレンジとブラウンだった気がする。

試行錯誤しながら初めてのメイクが出来上がった。鏡の中の私たちは、なんとなくいつもより可愛く見えた気がした。けして厚塗りではなく、付いているか付いていないか分からないくらいのメイクだったけど、少しだけ大人になった気がした。

友達の家の帰り、私はクレンジングを買って帰った。家に着くと、まだ母は仕事から帰っていなくて、私は急いでメイクを落とした。なぜか、親にはメイクした顔を見せてはいけないような気がしたから。メイクを落とした私は、いつもの私に戻った。

当時は眉を描いたり、アイラインを引いたりマスカラは塗っていなかった。ちなみにマスカラは平成の途中にマスカラが流行るまでは使った事がなかった。おそらく私の周囲もそうだったと思う。アイライナーもあまり使った事がなかったくらいだ。

その後、私は少しずつ化粧品を買っていった。どこの商品を買っていたかは覚えていないけど、高校生だったから当然プチプラだ。ひとつ覚えているのは、ちふれは当時から安くてお財布に優しくて重宝していたという事だ。

私は一重だったので、アイシャドウはずいぶん失敗した。ピンクが可愛くて好きだったけど、腫れぼったく見えてピンクは苦手だった。結局、黄色やオレンジとブラウンが一番使いやすかった。

当時のメイクした顔の写真が残っているけど、なんだか頑張ってるなぁと自分の事を見てしまう。洋服も限られた予算で買った精いっぱいのおしゃれをしている。あの頃は、自分を可愛く見せる事に夢中になっていた。内心コンプレックスの塊だったので、外見を飾り立てる事で自分に自信を付けたかったのだと思う。もちろん、それは所詮付け焼き刃で何の役にも立ちはしないのだけど、当時の私にはそんな事は分からなかったのだ。

初めてメイクした日から長い長い時が経ってしまった。今も私はメイクをする。それは、毎日のルーティンのひとつで流れ作業のように次々と塗っていき、いつもの私の顔が出来上がる。そんな時、メイクするのが楽しかった高校生の頃や若い頃を思い出す。自分のためや、誰かのために可愛く綺麗になりたいと頑張っていたあの頃を。



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