見出し画像

北海道弁から考える、言葉の脆さ。

昨日のスタエフで配信した内容です。
10分以上聴くのはむりっていう方も
沢山いると思うので笑

ただ記事も長めです。

声聴いてみたいと思って頂けたら
昨日の記事見てみてね。笑


-----------

今回は、北海道弁について語ろうかと思います。

私は生まれも育ちも北海道ですが
比較的北海道弁は出ないほうの人間です。笑

ただ、イントネーションに関しては
職場環境的に訛りのある人が多かったため、
それにつられて私も訛りが強くなった実感がありますね。


言葉自体が方言(あずましい、なまらetc)のものは
あまり使わないというタイプの私。

そんな私でも使う、
というか他の言い方がわからない
というものを紹介します。


〜さる

笑笑

これだけではわかりませんね。笑

これは、
動詞+さる
という、語尾が変形するタイプの方言です。

たとえば
「押す+さる=おささる」
「食べる+さる=たべらさる」
「書く+さる=かかさる」
「縛る+さる=しばらさる」
などです。

特に私は「おささる」をよく使うので
「おささる」について詳しく説明してみます。

まずこの活用法なのですが
結構過去形で使う気がします。

わかりますか?「おささる」の過去形。

「おささった」です。

ちなみに否定形は
「おささらない/おささんない」です。

それで、次が大事なところ。
この言葉が持つニュアンスです。

場面の例で説明しますね。
例えばエレベーターにて。

車椅子用に低めの位置にある押しボタン。
エレベーターがぎゅうぎゅうのときに
体がぶつかって押してしまったとします。

そのときに言うのが
「おささった」
です。

これを標準語で言うと、
「押してしまった」
となると思うのですが、

それではニュアンスが違ってきます。


「おささった」
これは
意図せずして、押してしまった
というニュアンスがあります。
無意識に、
でもいいかもしれません。

要は、
私が押した事実はあるけども、
私のせいじゃない。
という印象を受けます。


じゃあ「押してしまった」は
どうなるかというと、
押してはいけないとわかっているのに、押した
という印象を受けます。(あくまでも道民は)

押した。
意図的に、だめだとわかっていながら押した感。

つまり、
押した自分に非があるように聞こえるんですよね。


これって、ほかにも言えます。
例えばこんな文。「白ごはんが食べらさる」
これは、
おかずが美味しすぎて、
白ごはんをどんどん食べてしまう。
とか、
米自体が美味しすぎて、食べてしまう。
とか
要は、やめられない、止まらない、
かっぱえびせん状態を指します。

これも、自分の意志ではなく、
どうしようもない、不可抗力、
というニュアンスです。


言葉って脆い

自分のせいでもなければ、
誰かのせいでもない、
しいて言うなら、自然の摂理。
逆らえない事実。

ある意味で、
責任逃れなこの方言ですが、
自分のせいだけでなく、
人のせいにもしていない
このニュアンスが私は好きです。


でも、考えてみれば
動詞に「さる」がついているだけなんですよね。

ちょっと文字が変わるだけで、
相手が受け取るニュアンスが変わってしまう。

これって結構危ういというか、脆いなと思います。


だって、
自分のせいになってしまうか、
ならないかって
結構違うと思いませんか?

自分のせいになったら、
ダメージくらう気がします。


だけど、事実は変わらないんですよね。

例えば最初の例にある、
「ボタンがおささった」場合。

ボタン側からしたら、
押された という事実は変わらなくて、
人間側に、意図があったかどうか
でしかないです。

しかも、
そもそもこの状況で、
押してやろうという
意図があるわけもないので、

「押してしまった」でも
「おささった」でも
どちらでも同じなはずなのです。


なのに、語尾に「さる」がつくだけで
ニュアンスが変わってしまう。


だから言葉って脆いなと思うんです。


言葉の真意を受け取ればいい

こんなにも
文字の変化だけで
ニュアンスが変わってしまうのなら、

いちいちそのニュアンスに反応するのは
ちょっと悔しいかもって思います。

それよりも、
事実やその言葉の真意だけを
受け取ることができれば、
誰かの言い方に
腹を立てることも減るかもしれないし、

逆に、言葉足らずでも
真意が喜ばしいことであれば
嬉しさが増すかもしれない。


だから私、
できるだけ相手から受けた言葉には
その真意を見つけて、
真意だけ受け取るようにしよう
と思っています。


だけど逆に、
自分が発する言葉には、
自分が思っている温度感と
できるだけ同じ温度感で
相手に届いてほしい。

だから丁寧に、
相手のタイプに合わせた
言葉を使いたいです。


文字に踊らされるな、文字を操れ。

言葉って、所詮文字の羅列なんですよね。
その文字の1つ2つに踊らされて、
自分のメンタルがやられるのは、
なんだか悔しい。

特にメンタルダウンしてる方や、
HSPと呼ばれる方なんかは、
良くも悪くも
言葉の持つ力に
すごく影響されやすいと思います。

でも、その繊細さや、
敏感に感じ取れる力があるのなら、
きっと
言葉の奥にある真意を
見つける力にも長けているはず。

繊細さを自覚しているのなら、
その力を自分を守るために使いましょ。
自分を活かすために使いましょ。


文字に踊らされず、
その繊細な感性で、操ればいい。


私は最近そう考えています。

海外にいきたすぎるので、 勇気を少しだけ分けていただいたら、 その勢いで海外までぶっ飛びます。