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『オイディプス王』 パルテノン多摩リニューアル1周年記念公演

2023年7月13日(木)14時開演
@パルテノン多摩 大ホール
¥9,500

こういうアカデミックな演目はほとんど観ないんだけど、浅野さんがご出演すると聞いて迷った末、若干お安いチケットがあったので腹をくくる。まあ演劇好きとしては基本というか、誰もが知る傑作古典というものも一度くらい観ておいてもいいか、と自分に言い訳をして。
これまた劇場が遠いってのもネックよな。小学生の頃に多摩市に住んでいたけど、昔すぎてもちろんパルテノン多摩もピューロランドもなかった頃なので、駅に降り立っても懐かしさもなかったわw

「オイディプス」がエディプスコンプレックスの語源になったくらいしか知識がなかったので、この舞台を見て話の筋を知るという体たらく。でも確かにお勉強になったわ。

あらすじをざっくり言うと
──オイディプスはそうと知らず、父を殺し母を娶り子を生したという自分の罪を知り絶望。妃であり母でもあったイオカステは自害、オイディプスは自分の目をつぶして出奔する───

めちゃくちゃ酷い話だけど、どこかで聞いたような。しかも王が生まれた時に神託で言われてたのに、それを避けるために旅だったけど結局は信託の通りになっちゃう。これも何というかすでに定石というか。
つまり、今あるいろんな物語の元ネタになってるってことなんだよね。すごいなあ。2500年前の戯曲が未だに上演されていることも、人間が2500年前から根本が同じなんだってことも、驚きだよねえ。

でもま、アカデミックな演劇ってちょっと・・・退屈なのよね。すんません不届な人間で。
お目当ての浅野さんは預言者テイレシアスというおじいちゃんの役で、しかも出番は一場面のみ。(群衆のシーンはどこかにいたかもしれないが)そっか・・・。まあ予想はしてたよ。
あとは今井さんがいいお声をちょいちょい聴かせてくれたので、まあ何とか(?)

舞台美術はシンプルで美しかったなあ。あの長い石の階段が印象的。

コロス(コーラスの語源)というアンサンブル的な人たちが大勢いて、民衆の役として活躍してたんだけど、その中に大久保祥太郎くんがいたのね。アフタートークで彼と、宝塚の長身の方、演出の石丸さんのお話があり、興味深く伺いました。コロスの存在にめっちゃこだわったそう。
みなさんお上手でらしたけど、王の弟の方はもうちょっと頑張れ!って感じ。

後日、戯曲の一部をネットで読んだら(もちろん翻訳で)、舞台はかなり省略されてるんだね。図書館とかでみつけたら読んでみようかな。

公式サイト

ステージナタリー(舞台写真有り)


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