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XR業界で働きたいあなたへ -2-

どうも。
昨年書いたXR業界で働きたいあなたへという投稿、ありがたいことにいまだにそこそこ読んでもらっています。そして、最近採用をしていて感じていることがあったので、続編を書いてみることにしました。

今日言いたいことは一個だけです。
それはXR好きだっていうのめっちゃ才能だよということです。

XR業界を目指している人は年々増えているなと感じていています。先日私も登壇させてもらった第三回xR転職合同相談会には1700人近い方が参加していたと伺い、とても驚きました。
本エントリーがそういった皆さんにとって何か参考になれば幸いです。

XR好きな人は貴重

最近CHROという役職になりまして(くわしくはこちら)、ここ数ヶ月はめちゃくちゃ本腰を入れて採用活動というのをしております。

そういった中で、今、強く感じているのがXR好きな人いねぇえええええということです。
もうね、びっくりするくらいいないです、XR好きな人。いざ採用活動をはじめると全然そういった人が見つからないのには正直言ってビビりました。いや、知ってた。知ってたけどビビりました。

企業というのは創業当初のころは業務領域(ここではXR)に元から情熱を持った人だけで構成されるものですが、組織の拡大につれてあるタイミングから「それほど情熱がない人」も採っていかないといけない時期が訪れます。どの業界でもそうで、それを前提とした社内研修制度とか、採用プロセスとか作っていかないといけないわけです。
これはもちろん理解しているので、うちの会社でも徐々に準備をしています。

しかし、しかしですよ。採用する人がXR好きなら好きに越したことはないし、業務自体はXRに関係するわけですから、やっぱりXR好きなひとが入ってくれたほうが嬉しいわけです。

そんな中で、この記事をみつけました。

VRを「知っているし、使っている」という現在利用率は全体で5%

5%って!そりゃ見つからないわけだ。納得。

そんなわけで前置きが長くなりましたが、たぶんこの記事を読んでいる人はXR業界に行きたい、XRが好きな人だと思うので、あなたはその時点でXR企業にとってはレア率5%くらいの魅力を持ってるんですよ!というのをまずお伝えしたいです。

その上で、ここからは「XR好きだよ」っていうのを転職活動や就職活動の場でこんなふうに整理して伝えると良いよというのをお話していきます(これが本題)。

結論から言えば、XR好きだよっていうのを以下の3つの話に分解して、きちんと語れるようにしておいてもらえると良いです。

1. XRが好きだよっていう話
2. XRが得意だよっていう話
3. XRでやりたいことはこれだよという話

これらが自信を持って語れたら、たぶんどこのXR企業にでも転職できます。まじで。たぶん。
ということで、一個ずつ見ていきます。

XRが好きだよっていう話

「XRが好きだよ」っていうのを分解した一個目が「XRが好きだよ」って、アホなのかなって思ったかもしれませんが、マジです。
他の話の前提となる部分なので、ここがちゃんとしてないとなんだかそれ以外の話が胡散臭くなります。それに、面接官としてはこれが分からないとどんなテンションで候補者の人と話せばいいのかわからないので、最初に知っておきたいやつです。

さて、案外自分が好きなものをどのくらい好きなのかうまく説明できる人って少ないです。せっかくXRが好きなのに面談ではうまく伝えられずに終わっちゃった、ということはよくあるんじゃないかと思います。

でも、これ実はすごい簡単です。
単にXRに関連して今まで自分が何をしてきたかを話せば良いんです。

これは私の持論ですが「好きなことはすでにやっているの法則」というのがあって、あなたがXR転職をしたいほどXRが好きなのであれば、おそらくXRについてなにか行動を起こしているはずです。
行動を起こすっていうと意識高そうですが、よくゲームやっててアルトデウスBCでは泣きましたとか、ホロライブ好きでVARKのライブに何度か参加してますとか、VRChatのフレンドいっぱいいますとか、そういうのでいいんです。とにかく自然とやっていたこと。
別に他人と差別化とかしてなくていいし、クリエイティブなことじゃなくて全然OKです。

上で書いたとおりXR企業の採用担当者は「XRたいして好きじゃない人」を面接しすぎて疲弊してます。なのでただ「XR好きなんですー」とか言われてもどうしても疑ってしまうのです。そこに「実は私、HoloLens2持ってて……」っていう人がきたらどうでしょう。もうね、よだれでますよ。よだれ。

たぶんXR好きなひとってコミュニティもXR界隈のコミュニティに属しているので、XRが好きなあれやこれを当たり前のように感じていると思うんです。なので忘れがちなのですが「HMD持ってる」とかもちゃんとアピールしましょう。家にPCVR環境あるとか、激レアSSR人材ですからね。

XRが得意だよっていう話

さて、あなたがXRが好きなのは十分わかりました。
そうすると面接官が次に知りたいのは「あなたがXRで何が出来る人なのか?」です。つまり「XRで◯◯するのが得意です」という話です。

これは大きく二種類あって、XRに関連した何かを作るのが得意ですというのと、XRについて考えるのが得意ですというのに分かれます。

XRに関連した何かを作るのが得意です、というのはわかりやすくて、エンジニアとかデザイナーとか、クリエイター系の仕事の方です。
エンジニアであれば、普通に開発することはできるけど、自分はXRに詳しいのでXRならではの◯◯を意識した開発ができます、とか、XRならではの◯◯というライブラリを使った経験があります、とかそういうの。
これはクリエイター系の人であれば多分何かしら思い当たることがあると思うので、整理しておきましょう。

さて難しいのは後者の方、XRについて考えるのが得意ですというやつです。
これは言い換えると、自らの職種においてXRが絡むことが持つ意味をちゃんと分かっていますよということです。さらに言えば、XRであることを最大限活かすし、XRであることによる課題も認識していてそれの解決策も考えています、という感じです。
実際これがきちんと考えられないと、業界あるあるの「それってXRじゃなくても良くない?」というものが生み出されます。この「XRじゃなくてもよくない?」の境界線を考えるのは、実はXR詳しくない人にはかなり難しくて、XRについて真剣に考えている人だけが習得できる特殊技能だと思っています。

XR企業に入った場合、どんな職種だったとしても様々な局面で「XRならでは」が絡んできます。私はいま人事やってますが、人事だってXR業界的な悩みはあります。

これを身につけるには、自分の職種においてXRが絡む意味を普段からよく考え、整理しておきましょう。具体的には、上にも書きましたが「XRである意味」「それを最大限活用する方法」「XRであるがゆえの課題」「それを解決する方法」というのを考えておくと良いでしょう。これはなかなか大変ですが、これこそがXR企業で働く醍醐味です。

いま世の中で行われているXRのあれこれは思ったよりまだまだ試行錯誤の段階です。それらを鵜呑みにするのではなく、どこが良かったのか、自分ならどのようによく出来るのかを考えてみるのも良いかもしれませんね。

XRでやりたいことはこれだよっていう話

さてさて、ついに面接官はあなたが「XRが好きで」「XRで何ができるのか」までを知ることができました。
最後に知りたいのは、「あなたがXRでやりたいことが会社とマッチしているか」です。

「XRで何をやりたいのかを考えておこう」というのは、前回のnoteにも書きました。これは言い換えると、あなたが「XRで成し遂げたいこと」を「熱く」語れるように準備しておくということかなと思います。

これは別に奇抜なアイデアが必要ということではなく、自分の考えについて深く考えている必要がありますということです。
例えばあなたがVRゲームを作っている会社を受けるのであれば、VRを用いることによってどんなプレイヤー体験を作り出したいのかを話すと思います。VRゲーム会社の人は「VRを使って没入感があるゲームを作りたいです」みたいな話は一億回くらい聞いているので、それを言ったところで何も響きません。「なんで没入感があるゲームが良いと思うのか」「そもそも没入感とはなにか」「VRじゃないとできない没入感とは何なのか(非VRゲームでも没入感があるものは山程ありますから)」とか、最低限そういったことまで考えていて、はじめて成し遂げたいことを熱く語ったと言えるでしょう。

ノートの真ん中に最初に思いついた「やりたいこと」ことを書いて、それについて「なんで?」「どういうこと?」という風にどんどんツッコミをいれていくと良いです。大抵の場合、ノートとペンをもって2−3時間カフェにこもればかなり整理できます。
ちょっと大変ですが、たぶんあなたはXRが好きなので「XRで成し遂げたい未来像」について考えるのはすごく楽しいはずです。ぜひ頭を悩ませてみてください。

これは別に採用のアピールに繋がるというだけではなく、自分が何をやりたいのかを再認識する意味でも非常に有効だと思います。

実際によくする質問

参考までに、私が面談の場で良くする質問を挙げておきます。

XRは好きですか?好きになったきっかけは?
XRについて何か具体的にやっていることはありますか?
XRで成し遂げたいことはなんですか?
VRやARが普及するには何が必要だと思いますか?

個人的には、これらにイケてる回答をくれるかというのより、こういうテーマでテンション上がって一緒に盛り上がれるような人だといいなぁというふうに思っています。
僕は採用で重要なポイントのひとつとして「入社後に社員と楽しく議論できる人か」っていうのがあると思っています。そういう意味では、実はそれほどXRについて詳しくなかったとしても、別の経験や知識を元に上記の話題で盛り上がれるひとなら全然OKだと思ってます。

さいごに

最後にふたつほど。

ひとつめは、ここまでXR好きならこのくらい出来るよね?みたいなことを書きましたが、別に好きなことへの向き合い方は人それぞれなので、正直これをよんで「うるせー!!しらねー!!!」と思った人はそれで全然いいと思います。仕事にしたければこういうこと考えておいたほうがいいよ的なアドバイスなので。私個人としては別に必ずしも好きなことを仕事にする必要もないと思ってますしね。
前回のnoteから一貫したテーマですが、ここで書いたことは「うまく自分のことを相手に伝えよう」ということなので、なにか思ってもいないことを転職のためにひねり出したりする必要はないです。ただ、せっかく好きならそれを最大限伝えようっていうことです。

ふたつめは、ここまで「XR」をなんか特別なもののように扱ってきましたが、何度か書いたように所詮XRは手段です。ですから、本当に大事なのは「XRで何をするのか」のほうです。
今はインターネットで何かをする会社が無限にありますが、そういう会社を志望するときに「自分はインターネット業界にいくんだ!」と意気込む人はもはやいないと思います。例えば「クックパッドに行きたい!」と思ったら、たぶんインターネット業界というよりは料理業界の会社を志望するという気持ちになるはずです。XRも、いまでこそ新領域としての部分が大きいですが、いずれ本当にXRであることが大した意味をもたないときが来ます。というか、仕事をする上では今でもそういう意識は大事です。
ただ、やはり現時点ではXRを仕事にするというのはそれなりに意味のあることだと思っていますし、そういう気持ちで来てくれると嬉しいなと思います。

最初の方に書いたように、僕ら採用担当にとってXR好きな人はまじでレアなので、XR転職しようと思っていてなにか悩んでいる人は、Twitterとかで超気軽に相談してください。(自社に勧誘したりしませんのでご安心を笑)

そして最後に、Psychic VR Lab では色んな職種を絶賛採用中です!XR好きなあなたを待ってます!
https://psychic-vr-lab.com/recruit/

おしまい。


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