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未経験からUI/UXデザイナーになれますかと聞かれ、私はこう答えた

先日、LinkedInにこんなメッセージが届きました。

突然のご連絡で申し訳ありません。
水野さんのnoteの記事を読んで「私の夢を実現できてる方!質問を聞ければいいな…」と思い連絡しました。もし可能であれば、お時間をいただいてお話ができれば大変光栄です。

私自身初めてこういったメッセージを受け取り、すごく嬉しかったのですぐに返信をしました。

彼女からの質問を答える中、もしかしたら同じような疑問を抱えてる人がいるかもしれない…と思ったのでまとめてみました。


仕事編

連絡をくれた方は、未経験からデザイナーを目指し、経験を積んで将来的には海外で仕事がしたいという目標があります。

1. 未経験からUI/UXデザイナーになれますか?

これは、なんて答えるのがいいんだろう。
「なれない」なんてことは絶対にない。それは私が決めることじゃない。ただ、あなたの望むUI/UXデザイナーになるための道は険しいと思う。

コロナをきっかけに在宅で働ける仕事、特にIT業界に魅力を感じている人が増えたと思う。以前に増してこの業界で働きたいと考える人が増えるということは、競争率が高くなる。

私の経歴を振り返ってみる。短期大学でグラフィックデザインを専攻し、職業訓練校で3ヶ月Webデザインを学び、未経験でWebデザイナーとして働き始めた。日本で4年近く経験を積み、カナダに来てから肩書きをUX/UIデザイナーに変えて就職活動をした。カナダに来た頃はSPAってなんですか?Webアプリケーションってどれ?ってくらいの知識だったけど、現在は現地ソフトウェア開発企業でUX/UIデザイナーとして働いてる。

いろんな縁やタイミングが重なったのもあったのもあるけど、私は今、UX/UIデザイナーとして働いてる。大手広告代理店で勤務してたわけでもなく、特別な賞を取ったわけでもない。数年前までは私もあなたと同じデザイナーを目指す一人だった。

2. 1が可能であれば、何をするべきか

UI/UXデザイナーの募集要項にこう書いてある。

• 分析による課題の特定と解決(PDCA)
• 情報、色彩設計、タイポグラフィ設計の改善
• ABテスト実施によるデザインの最適化
• 各WEBサイトのコンテンツ、レイアウト更新
• LPなどのデザインやマークアップ
• HTML / CSS / JavaScript などのマークアップ経験
• レスポンシブwebデザインの制作経験
• デザインツールやプロトタイピングツールの使用経験
• アクセス解析ツールの使用経験
• ユーザーインタビューやペルソナ、ジャーニーマップ作成経験
• デザインガイドラインの作成

これを見たら、どこから手をつけていいのか分からなくなる気持ちも分かる。あれもこれも習得しなきゃと焦るけど、まずは自分がなんでデザインに興味を持ち始めたのか考えてみる。「何かデザインすることが好きだから」「デザインをやってみて楽しいと思ったから」なのであれば、デザインツールを使えるようになるところから始めたらいい。きっと、色やフォント、写真の選び方に疑問を持ち始める。そうなったら次のステップに進む。

楽しいこと、やりたいことは勉強も捗るし頑張れる。やらなきゃいけないことと思うと、勉強が強制的になり身にならない。焦る気持ちを抑えて、まずは興味あることから確実に習得しよう。

日本とカナダ
UI/UXデザイナーとして就職する場合の難しさは?

日本ではUI/UXデザイナーとして就活をしたことがないので、カナダでの私の就活で感じたこと。

デザイナーという職種に限らず、海外での就職は困難。その理由の1つは、就活の仕方が日本とカナダでは大きく違うから。

• 履歴書を送っても返信が来ないのは当たり前
• 100社以上応募して、10社から何かしら連絡があれば良い方
• 働けるビザがないとまず取り合ってくれない(ビザサポートは企業に負担がかかるため)
• 紹介・コネクションで採用されるケースも多い
• 日本の就活エージェントのようなサービスはない

応募の流れは、履歴書とカバーレター(志望動機や自己PRをまとめた添付書類)を送った後、採用担当者の目に止まるとメールで返信があり、電話面接に進む。

電話面接では自分の職務経歴やビザ状況、応募した職種に関する質問があり、大体15分〜30分ほど話す。英語の会話が苦手な私は電話面接が本当に苦手で、電話の声だと英語も聞き取りにくく毎回緊張した覚えがある。

その後、会社に訪問し直接面接がある。ポートフォリオを見せたり自分が会社のどんなところに貢献できるかなど、自分の熱意をアピールする。企業によっては直接面接が数回設けられていたり、テストを実施する場合がある。

参考までに…
私が実際に応募した企業: 44社(日本企業: 2社)
電話面接: 5社
直接面接: 3社(現地企業にフリーランスとして4ヶ月働く)
期間: フリーランスで働くまで約3ヶ月、現在の会社で働くまで約半年

海外で就職するということは、企業に現地の人ではなく自分を採用してもらうために自分の強みをしっかりアピールする必要がある。
英語力、スキルも必要だけど、今までの自分の経験をどう企業に活かすことができるのかを伝えることが本当に重要。

コーディング知識、またはWebマーケティング能力などは必要ですか?

必ずしも必要ではないけれど、どちらもデザイン業務に関わることが多いから知っていた方がいい。

コーディングの知識があれば…
開発者との連携がスムーズになり、コミュニケーションがしやすくなる。制作においてお互いの理解、寄り添いは必要だから、知識があることで一緒に仕事がしやすくなる。

SEO、Webマーケティングの知識があれば…
コンテンツの重要性がより理解でき、それをデザインに反映するにはどうするべきかなど、デザイン制作の視点が増える。

前にも述べたように、まずは自分の興味のあるところから始める。1つのことを突き進めていくと、他との関わりが見えてくる。次の段階に進むには、どの知識が自分には必要なのかが見つかる。自分にはこの知識が必要だと感じたら、勉強を始めるタイミング。

次は語学編

他に、英語の勉強法やカナダでの生活についての質問もあったので、それは別のnoteにまとめます。


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