見出し画像

Viaggio in Giappone

2024年1月16日。Mourinhoはローマの監督の座を追われた。白昼堂々の解任劇に世界中のロマニスティのリアクションは様々だった。
オリンピコを毎節満員にし、ティフォージの愛を再燃させた世界一の指揮官は、現地では愛されていた。2年連続の欧州コンペティションでの決勝進出や試合終了間際の劇的ゴールの量産、世界的大スターの獲得。彼の在任期間にローマにもたらされたものは大きく、ティフォージに愛される理由は成績の面からも明らかだった。一方で、今シーズンに関してはその熱量と成績が比例しない現状や、就任当初からの単調なプレースタイルにいよいよ退屈を感じる人々も少なくなかった。

そんな混乱状態の中、Daniele De Rossiの帰還がアナウンスされる。
Bentornato a casa, Daniele! 💛❤️
公式Xが投稿したこのフレーズに対しての認識と感情が追いつかない。唐突なバンディエラの帰省。まさかこんな形で。

シーズン途中の監督解任は何も珍しいことではないが、後任監督探しに苦戦するクラブは多い。途中でそのポストに就いてくれる監督が少ないことから、少なくないクラブが監督キャリアの乏しいそのクラブのOBに後任を打診しがちだ。”レジェンドガチャ”と揶揄されるそのムーブは、揶揄の意図通りあまり良い結果をもたらさないことが多い。

漏れなくDanieleも同じ路線を辿るのか。多くの人がそう思ったに違いない。
だが、蓋を開けてみれば….。

快進撃である。

Daniele就任時から続くローマの成績については、今ここで改めて触れるものではないだろう。
最近のローマは、毎節のように楽しい。そう感じるのは僕だけだろうか。

そんなDanieleがローマで手腕を輝かせている一方、
彼の家族たちは日本でその目を輝かせていた。

親日家で有名なDe Rossi一家。
ローマの歴史に残る闘将は、Giallorossoを退団してすぐに家族と共に日本へバカンスに来ていた。
DDR16の愛妻Sarahさんは、東京駅で撮ったツーショットをInstagramに投稿する。

“The kid is alright.”

退団後心の落ち着かなかった僕は、この一文を見た時少しばかり安堵した記憶がある。

それ以前にも来日していたDe Rossi一家。
過去には自身に刻まれているタトゥーが日本では、あまり歓迎されないことを懸念して、前もって何がタブーな行為なのか調べていたりと、郷に入りては郷に従う精神も見せる辺りは、Danieleらしい。

そんな一家がまた日本にやってきた。

勿論Danieleが来ることはなかったが、愛妻Sarahさんが2人の子供たちを連れて来日した。

@sarahfelberbaum

連日のように日本を満喫している様子がInstagramのストーリーズに投稿された。代々木公園でチルして、満開の桜の下でチルして、日本猿に餌をやってチルして、奈良で鹿と戯れてチル、山に登ってチル…。
平和でのんびりとした時間を過ごしていたようだ。

東京、京都、奈良、そして広島と広範囲に日本を楽しんでいた。
我々が、ミラノ、ローマ、ナポリ、そしてヴェネツィアに一度のイタリア旅行で行くようなものだろう。

旅の途中に銀座でイタリア人の知人が営んでいるイタリアンレストランにも立ち寄っている。(余談だが、このイタリア人の知り合いと、僕の前のバイト先の居酒屋の大将が知り合いであった。世界狭い。)
お店の名前はGucci Osteria(IG: gucciosteria)。勿論単価は高そうだが、機会があれば行ってみたい。

約2週間半。日本でゆったりとした時間を過ごした彼女らは、ローマに戻ってきた。時には3人で鼻歌を口ずさんだり、千代田線の吊り革につかまってはしゃいだり(迷惑になってないと思う)、普通に横断歩道を歩いたり、ごく普通のどこにでもいるような親子の大切な時間だった。

Siamo tornati da te.
あなたの元へ帰ってきたよ。
Danieleの元へ走って駆け寄る。
抱き合う父と子供達。それを見守る母。

旅も終わり。
次はみんなでまた日本に来てね。待ってるよ。


ところでSolbakkenは本当に日本に今いるの?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?