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Lou Donaldson- Mr. Shing-A-Ling (1967)

タイトルのシンガリンとはブーガルーから派生したダンスミュージックです。しかしルードナルドソンとロニースミスの手にかかればソウルフルでブルージーなサウンドにそこが最高にいいです。ジャケットはこの頃のブルーノートらしい女性のモデルを起用した奇妙なデザイン。トランプかタロットカードのイラストのようなデザインが面白いです。

メンバー
ルードナルドソン:アルトサックス
ブルーミッチェル:トランペット
レオモリス(アイドリスムハンマド):ドラム
ジミーポンダー:ギター
ロニースミス:オルガン

渋めのソウルジャズ系のメンツに久々のブルーミッチェルとの共演。聴く前から期待できる人が揃っています。この頃のブルーノートはジミースミスはよそに移籍するし、ラリーヤングはモード、フリーに行っちゃうし、ビッグジョンパットンもフレディローチもラリーほどではないにしろ純粋なソウルジャズとは距離を置くようなスタイルだったのでロニーの肩には期待の重圧がかかっていたはずです。そしてケニーバレルもまたヴァーブに行き、グラントも薬やらモードに色目使ったりと怪しい感じ。だからジョージベンソン、ジミーポンダー、メルヴィンスパークス等多くのギタリストが参加していたのでしょう。

Ode To Billy Joe
マーチング風のに乗ってリラックスやレイドバックを通り越して気の抜けたようなサックスを吹いています。そういうと微妙な感じですがギリ許されるレベルの緩さが逆に癖にになります。続くジミーポンダーのギターはブルース由来のペンペン、ピュンピュンした素朴な感じ。ロニーのオルガンもタメの聴いたオルガン特有の押しの強さがないソロです。あとこの曲を紹介する度に言いますがフォークがなぜコテコテのスタンダードになったのか気になります。

The Humpback
前曲から打って変わってアップテンポのシャキっとした曲。金物をメインにくどくならない程度にどかどか打ち込むドラムがかっこいいです。ホーン2人はマイペースに少し緩くブルースをやっています。ギターソロはジャズっぽいしオルガンソロもオルガンらしいしつこさで本当に真逆の演奏です。

The Shadow Of Your Smile
当時のヒット曲で他の多くのカバーと同じくボサノヴァのリズムで演奏しています。コテコテの中で一息つける穏やかなバラードです

Peepin’
マイルスデイヴィスのSo Whatをソウルフルにしたようなテーマが印象的な曲。ファットバックしたドラムがかなりかっこいいです。ロニースミスのコテコテかつしつこいオルガンがかっこいいです。続くジミーのソロも渋みがあっていいです。コーネルデュプリーのようなジャズもできるけど根っこはブルースなスタイルでコーネルよりも素朴な感じです。

The Kid
新しい方(当時は)のファンキーな雰囲気一曲。ブルーミッチェルの短いフレーズをしつこく繰り返すスタイルはソウルフル。このアルバムの曲はどれも似たような感じですが似たような感じだからこそあたりはずれや聴きやすい曲と難解な曲が混在していることがなく聴きやすいですが書くのには苦労します。