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Ron Wood. I’ve got my own album to do(1974)

いくつかのセミプロバンド、バーズ(ミスタータンブリンマンのとは別のバンド)、ジェフベックグループ、フェイセズと多くのバンドを渡り歩いてきたロンウッドが初めてリリースしたソロアルバムが本作です。フェイセズやストーンズのような荒っぽいロックンロールとロンの好みからくるソウル色、リズム隊の作るファンキーなリズムがうまく噛み合った一枚です。個人的には泥臭いスティーリーダンっぽい気がします。

メンバー
ロンウッド:ボーカル、ギター、ハーモニカ
ロッドスチュワート:ボーカル(3、4、10)
キースリチャーズ:ギター、ピアノ
ミックジャガー:ボーカル(1、6)、ギター(1)
ミックテイラー:ベース、ギター、エレピ、シンセサイザー
イアンマクレガン:エレピ、アープシンセサイザー、ピアノ
ジーンラッセル:オルガン、ピアノ
ウィリーウィークス:ベース
アンディニューマーク:ドラム

アンディニューマークとウィリーウィークスが目を惹きます。フェイセズのライブではジョンレノンのジェラスガイをダニーハサウェイのカバーバージョンのアレンジでプレイしていたロンなのでダニーのライブに参加したウィリーが参加してくれたことは嬉しかったはずです。

I can feel fire
ロンウッドの代表作です。ギターやコーラスはアメリカンなブリティッシュロックらしい荒っぽいサウンドですがリズムはタイトでファンキーな曲です。途中からスティールパンかヴァイブの音がするのが面白いです。同じ時に録音されたのがIt’s only rock’n’ roll です。

Far East man
ロンがジョージハリスンと共作した曲でアーシーな曲ですがソウルっぽい感じもあり、もしスティーリーダンがメンフィスでアルバムを作ったらこんな感じになりそうです。タイトルはロンがフェイセズのツアーで日本に来たことが由来ですがイギリスのスラングでずば抜けた人という意味もあるらしいです。またジョージのハリスン帝国にも収録されてます。

Mystfies me
ロッドの初期のソロっぽいカントリーやフォークっぽい曲。

Take a look at the guy
軽快だけどほどよく泥臭いロックナンバー。

Act together
ウーリツァーっぽいエレピが印象的なソウルナンバー。ソウルでもありロックでもある。都会的でアーシー。噛み合わないような要素が上手に噛みあっています。

Am i groovin’ you
タイトル通り重たくグルーヴするファンクナンバー。キースリチャーズがリードボーカルをとっています。ブルースハープが印象的です。

Shirly
スライとレゲエの中間っぽいリズムのファンクナンバー。うねりまくるギターがかっこいいです。

Cancel everything
ちょっと哀愁のあるロックナンバー。ゴスペル調の女声コーラスが印象的です。

Sure the one you need
フェイセズスタイルのロックナンバー。この曲もリードボーカルの半分以上はキースです。俺が歌うと一歩も譲らないキースと苦笑いでそれを許すロン。そんな光景が目に浮かびます(実際はわかりませんが)

If you gotta make a fool of somebody
ボビーウォマックっぽい雰囲気のサザンソウルバラード。コーラスを歌うロッドも少しボビーに声を寄せている気がします。ギターもジャズ畑出身のセッションミュージシャンみたいな音です。

Crotch music
インストのジャムナンバーでリズムボックスとウィリーのベースから始まるイントロがかっこいいです。ロックというよりファンキーなフュージョンっぽい音でギターもラリーカールトンやデイヴィッドTウォーカーっぽいタッチです。