古語訳「七つの子」

鴉《からす》、如何《いか》に鳴く。
鴉は山に美しき七つ児《ご》居《ゐ》る故なり。

愛《かな》し、愛《かな》しと鴉は鳴きぬ。
愛し、愛しとなむ鳴きぬるや。

山の旧巣《ふるす》へい行きて見給へ。
玉の目見《まみ》の愛《め》づ児《こ》ぞや。


【 原文 】
烏 なぜ啼くの
烏は山に 可愛七つの 子があるからよ
可愛 可愛と 烏は啼くの
可愛 可愛と 啼くんだよ
山の古巣へ 行って見て御覧
丸い眼をした いい子だよ


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