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大正生まれの祖母から聞いた着物話と与謝野晶子の忙しさ

30年前の思い出話です。高校の卒業式で袴を着たら、肩は凝るわ、苦しいわ、襟は乱れるわ、
「なんかなぁ」
と思ったわたし、
父方の祖母たちとお茶をしていたとき、ふときいてみました。

わたし「着物のえりがくずれるんですけど」
祖母「ああ、えりは崩れるものなんですよ」
祖母の友人「直せばいいのよ、嬢」

わたし「そうなんだ、、、」
祖母「こまめにね。」
祖母の友人「うんうん」

それくらい襟はくずれるもので、祖母の周りではちょいちょい手を当てて崩れていないかどうか確かめるものだったようです。

令和になって、テレビで動いても寸分の乱れのない襟が映っていると、
わたし「時代だなあ。クリップでとめてるのかしら」

個人的にはふんわり空気感のある襟が好きです。

おまけ
そういえば祖母は結婚するまで東京にいて、「与謝野晶子と列車であったとき、着物の襟がぐずぐずで、本当に驚きました」と言ってたっけ。
あれは「ぐずぐずの襟に驚いた」のではなく、
「祖母の常識からすると常にチェック、乱れていたらすぐに直すはずの襟を、直さないままでいることに驚いた」という意味だったんだなあ。忙しい人だったんだろうなあ。

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