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ため息俳句90 オニオンスライス

玉ねぎの収穫が始まった。手始めに、紫玉ねぎから。
ただ、スライスして鰹節をのせて、ポン酢をかけて食べる。
収穫したてのものは、玉ねぎ特有の辛味がない。さっぱりと、さくさく食べられる。

前にも書いたが、食事作りは自分の家事分担事項である。日々の生活で、三度の飯の支度をする、片づけは妻がする。この家事分担を自分は気に入っている。料理の楽しいところは旨いまずいの評価がその度にはっきりするところだ。まずいものを無理しておいしいという必要はない。また、同じものを作っても前の味を再現できるほどの腕がないから、その度毎の味となるのが、かえって面白い。また、自分が畑で育てた野菜をどう食べてやろうかと、ネットのレシピを漁って、実際に作って口に合うか試すのも案外脳みその刺激となる。舌と脳みそは連動している、料理はたいそう知的な作業であって、惚け防止には有用であると思っている。キッチンで遊んでいるようなものだ。
そのように料理を始めて間もない頃、カレーライスを作ったのだが、この時初めて玉ねぎを刻むと目が刺激されて涙が出ると云うことを、体験したのだった。そして、今夜も、玉ねぎをスライスしたのだった。

採りたての玉ねぎ匂ふやさしかり

玉ねぎに沁みし涙はそのままに

新玉ねぎ軒に吊るせば梅雨近し