ため息俳句 墓へ行く
今日は、父の命日。
菜の花や菩提の寺の甍見ゆ 空茶
遊休田処処に群れ咲く黄花哉
墓までの行く先ゞに揚げ雲雀
あの朝は、遅い雪が降った。信州生まれの父のために雪が降った。
父逝くに戯れもあり淡き雪
ぽかぽかの陽気の下に墓洗ふ
供へたる花にまじりてスイトピー
自分が煙草を本当に止めたのは四十歳であった。それ以来煙草をくわえることは無いのであるが、父の命日に限って一本だけ火をつけて墓前に供えたいという誘惑にかられる。まだ、ヘビーな煙草好きであったころは、そうしていたのだ。
できることなら、こんな風に。いや出来ないことないのだが、・・・。
ただ一本煙草点けるに吸つて吐く
両切りの煙草辛くて春麗
早咲きのちらほらと。