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非日常のおすそ分け

「働かないふたり」という漫画を読んでいる。この話の主人公はニートの兄妹だ。この2人がニート生活を謳歌しているのを見て、なんかいいなと感じる人は現代社会に割といるんじゃないだろうか。

第374回の「非日常」っていう話が、これまで読んだ中で一番羨ましいと思った。今すぐビール飲みたい...

ここに出てくるお兄ちゃんは、頭も良くて人から好かれるキャラクターだ。特に素晴らしいのが、自分がニートでも全く卑屈でなく、むしろ社会生活に疲れた人達へ「非日常のおすそ分け」をしていること。

例えば、
・独り身のおばあちゃんちに仲間を呼んで草刈りをする

・奥さんに愛想を尽かされた後、定年を迎えたおじさんと仲良くなる

・密かに小説を書いているが自信が持てない女性に、お世辞抜きの感想を言ってあげる

などなど、どれも大それたことではないけれど、仕事に追われる社会人にはできないことだ。

人への親切を厭わない彼には、お金はなくても良い友達が沢山いるし、自然とその繋がりが増えていく。
親友の1人である丸山は、スケベでカッコよくはないキャラクターだ。かわいい女の子に目が無い丸山だが、ニートである親友が合コンで馬鹿にされた時には、その女子に「俺の友達を馬鹿にすんな」と一喝する。

このニートの主人公は友人達にとって、お金とか、自らの願望とは天秤にかけられないような尊い存在なのだろう。こんな純粋な友人関係が羨ましく感じる。

自分にとっての日常は、誰かにとっての非日常だったりするから、ちょっとした親切が思わぬ形で喜ばれることって確かにある。

「ニートと社会人」っていう対比に限らず、「学生と社会人」「既婚者と独身」「文系と理系」などいろいろと違う立場同士で、非日常を共有していけたらもっと楽しく過ごせるんじゃ無いかなと思った。

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