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愛の形(詩)

涙が滲みるほど太陽が真っ赤な夕方
子どもたちの元気な声が川の上辺を流れていく
ふたつの点を結んだ直線に
いつしかもうひとつの点が現れ
直線は正三角形に変わったが
まだ私には余裕があった
その三角形が一点だけが遠ざかり
不格好な二等辺三角形になったとき
あなたは遠くなった私の点をつまんで
川の真ん中に躊躇いもなく放ったっけ
私の点は太陽も届かない川底に沈んだ
もし稚魚が私の点を食べて
大きくなって交配してくれたなら
それは
私にとっての、私だけの愛の形

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