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終着駅(詩)

緑色の風が通りすぎる
空は青らしく青く、どこまでも続いている
僕は列車の車窓から流れゆく景色を目で追っている
人はなぜ、悲しくなると北へ向かうのだろうか
北にはどんな癒やしがあるのだろうか
目指すあてはなく
列車の中の孤独を一人味わっている
失恋なんてそこいらじゅうにあるものに
どうして僕はこれほど胸を痛めるのだろうか
人はなぜ失恋すると一人旅をしたくなるのだろうか
線路には終着駅がある
別れた彼女との距離がどんどん離れていく
それに比例して、僕の悲しみは列車が終点に近づくたびに大きくなっていく
癒やしを探す旅は始まったばかり
僕は終点のない空を見つめながら思う
列車には終着駅があり、終着駅は始発駅に変わることを
僕はまだ知らない


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