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74歳母が免許を返納した

運転歴50年

まだ免許は返納しないと言っていた母が免許を返納した

更新ハガキが届いたので更新しに行くと言っていた翌週
やっぱり返納してきたわと言った

車はこの春、車検を通すか通すまいか考えた末、諸々の理由から廃車にした

母がいない時車屋さんに言われた
廃車はまだいいけど、免許返納すると一気にボケる人多いからね
ほんとだよー

確かに年老いて趣味など全くない人はそうかもしれないな
真面目に働いてその他の世界との繋がりが希薄な人は免許は重要な拠り所となるだろう

とやや他人事に思っていたが
なんのことはない
我が母もまさにその範疇に入る人物であった

結婚後数年だけの華やかな時期にはお茶の先生の免状をとり
周りの人にやっかまれて白い目で見られながら着物で生活したのよ
と被害妄想かつ一段高いところから周囲の人を見る姫様育ち

夜逃げ離婚自殺未遂などを経て

祖父から火災保険の仕事を引き継ぎ働きつつ復縁、ゴルフにクラシックのコンサート、お酒に書道にラブアフェア

などなど思う存分楽しんだご様子

よく遊んだから後悔はないわ
私モテたのよ

と先日も具体的モテ話を自慢していた


おめでたい

だから私は毎度言う

おめでとう

そしては母は毎度言う

ありがとう

その間の私は幼少期には祖母の膝枕で大岡越前を見て
日本茶にマリービスケットやぽたぽた焼きを浸しながら食べ穏やかに過ごし
歯磨き習慣が無くボロボロの歯で小1から一人歯医者通い
中学生の頃はソフト部の部長で県大会一歩手前まで行ったが母は一度も見に来たことはない

という具合に母は自分のことで大忙しだったのである

関心がない事には関わらない


保険屋さんをやめた後もずっと車に乗り続け働いてきたが只今休職中
気楽に行き来する友人は少なく一人歩きは好きだが趣味は専ら読書

ここのところの加速度的な被害妄想や勘違いは顕著で
自ら選択したとはいえ
母の支柱のひとつであった運転免許の返納が精神に何らかの影響を及ぼしているのではないかと思う

とりあえず火事さえ出さなきゃ大丈夫だろうと思うものの
自分で私は認知症だ認知症だと言うもので
認知症検査を勧めた

夫は、検査結果のショックで悪化する人結構いるらしいからやめた方がいいんじゃないのと安定の心配思考
まあ確かにそういう可能性もある

本人が受ける気なら受けるのが良い
結果如何様でも善処致すまで

母のトンチンカンな様子に苦笑いする娘達には
みっき(私)も30年したらこうなるかもしれないからね
予行演習だと思ってよく見ておいてねと言っている

とりあえず、母が車で誰かを傷付ける心配が無くなったので良かった

写真はちょうど4年前の母

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