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てぃくる 973 もけ度

「先生、わたし、どうしても美しくなりたいんです」
「ふむ」

「わたし、かつては美しかったんですよ。でも今はこんなに……」
「ふむ」

「ねえ、どうやったらわたしは美しさを取り戻すことができるんでしょう?」
「じっとしてりゃいいよ」

「え?」
「ちゃんと乾けば、あんたのもけ度が上がる。美しくなる」

「それだけでいいんですか!」
「ああ。ただ」

「ただ、なんです?」
「美しかろうが醜かろうが、君が嫌われることだけは変わらんからな」

「どうして? わたしは嫌われることなんか、何もしてませんよ」
「自覚なしかよ」



 セイタカアワダチソウの枯れ穂。冠毛が開いてもけもけになれば、それはそれで美しいんですが。冠毛にはもれなく種子がついてきますので、爆弾をあっちこっちにばらまきます。

 多年草で繁殖力が強くアレロパシー持ちのセイタカアワダチソウは、図々しさという点では雑草界きっての大物。どんなにもけ度を上げたところで、好意的に見られることはないと思います。


  嫌うことには抵抗がなくても、嫌われることには我慢できない

  嫌われている自覚がないやつは、嫌っていることも意識しない
  嫌っているやつほど、「おまえなんか嫌いだ」と面と向かって言い放つ
  嫌われているやつほど、「俺を嫌いなやつなんかいない」と自惚れる

(2022-12-21)

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