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20%の蟻

よく働くアリは2割、テキトーに働きテキトーにサボるアリは6割、そしてずっとサボってるアリは2割。



けっこう知られた話だけど、知った時はびっくりした。働き蟻はすべて働き続けるものだと思い込んでいたから。イメージである。



じゃあ試しに、とサボり組を取っ払ってしまうと?
残った蟻たちは、また元の割合で働かない組を作り出す。



労働の義務。教育の義務。
決められていても、必ずこぼれる者は現れる。そこはお任せください、幼少よりのドロップアウトな水宮に。



社会の役に立たない、社会の枠組みにはまらないなら、お前は要らないよ。
そう判断されガーンと落ち込んでも、捨てる神ありゃ拾う神あり。多分、その2割の蟻は何かエンタメだの哲学だの連絡だのアートだのシャーマンだのを、きっと蟻の世界で受け持ってる必要な存在かもしれない。こいつら働かないじゃん、とその2割を奪われた側の蟻たちは
「ちょっと待って、あの子たち要るのに何すんの」と憤慨してるのかも。古今亭志ん蟻とかレオナルド・ダヴィ蟻とか蟻アイドルとかいるとしたら、それは蟻界の宝だものね。



昨日2階のドライバー青年がまたピンポーンと来て、「これ事故品ス」と牛乳を一本置いて行った。(こないだほかのお家から頂いた新鮮なしょうがが大量すぎて、すりおろして冷凍してパキパキ割っといたやつを分けた。お魚の好きな子らしいから喜んでいたな。)パッケージが少し傷ついただけの牛乳は、新鮮で美味しい。



夜、落ち込んでいたから、踊りながら料理をした。牛乳、冬、とくればクリームシチューがいい。ルーは使わない。バターと小麦粉とコンソメでじゅうぶん。



野菜を加熱するあいだ、鶏肉を切り分けて焼きながら鶏につぶやく。
ごめんね。命をいただくよ。
あのね。
私、ダメなやつなの。イヤなやつなの。出来も悪くて、人にひどいこともしたんだ。
ほんとはいいやつなんかじゃない。



でもずっと自分でそう思ってたら、あなたもイヤよね。そんなやつに食べられるのはイヤよね。



シチューは美味しく出来た。タイムとローズマリーがいい香り。
でも、「ダメな2割」の蟻の私は、また明日からやり直し。



謝って、反省して、引きずらず、学んで、
やり直し。何度でも何度でも。はじめに戻るんだ。
はい、モットーはなんだっけ?ミズ・落ちこぼれ。

「のんきに優雅にげんきよく❗️」

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