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上品のつくりかた

品のいい人、というのはいる。
たびたび書いてはいるけど自分の確認のため、そしてもう少し深掘りしつつ、果たしてゼロからでも「品のある人物」になれるのかどうかを考えます。


ハイ、なれます。
ただ簡単ではありません。
ざっくり言えばそうです。


品のある人とはどういう人か。
まずそこをきちんと考えないと。方向が分からねば行く先も見えない。


一般に分かり易いのはハイソに見える人々。言い方は色々ですが、大抵は得たor生育的に得ているパワー(お金・財産、地位、見た目、腕っぷし等)の使い方を間違えてる人は一見ゴージャスに見えても下品、ということです。
そうじゃない❗️と怒る向きはそもそも自覚があって後ろめたいか、理解する気がないかのどちらかで、それも下品に堕してしまいます。そもそも怒ることが。
私もまだまだ一生修行。


〈上品な人の特徴〉
・怒らない。
・あわてない。パニックにならない。
・まったくの他人にもなんなく譲る。
・思考が柔らかで、小さい子どもたちや生き物・植物がいちばんの友人だったりする。
・物を粗末にしない。
・きれいにする。
・見ていて気持ち良い見なりをしている。高価ということではない。
・人の嫌がることは決してしない。
・差別がない。
・ルールを守る。
・賢さで正当にそのルールを壊す事もできる。
・明るく軽く、不幸や辛さに浸ってたりしない。
・変化を恐れない。だから老病死苦も恐れない。
・基本、人の話を聴くスタンス。
・余計なことを言わない、しない。
・ケチらない。
・裏表がない。
・諸行無常が実は超ハッピーなこととも知っている。



などです。
そんなこと出来る人間なんかいないって?
普通にいますが目立ちません。派手がましさは品がいいこととは言い難いし、彼らは大抵控えめでにこにこしています。それが他者にとって気持ちがいいことを分かっているから思い遣ってのことです。なんの自慢もしませんし人から評価されなくてもへっちゃら。きちんと自身で正当に評価しているから他人から褒められることを必要としません。


きちんと辛さを超えて年齢を重ねた人に多いのは確かです。大谷翔平さんなどは稀かもしれませんが、若い方でもいます。



そうなりたいならどうするか。
時代時代で人の理想像は違えど通底していることはある。


私は「お前は生意気だ」といつも言われてきましたが、上品な人々はちゃあんとその裏の私の悲しみや疑問、そして隠れている幼い私を見出し、簡単に調伏してしまいました。
もうこっちはごろにゃん❤️です。他には相変わらずシャー💢でも、いつもそれを諌めてくれます。


向こうにも理由や事情はあるのよ。考えてあげてね。
簡単に決めつけちゃだめ。
大丈夫。
あわてないで。
あなたはちゃんとできてます。みんな分かってるよ。
だから泣かないで。笑っててね。泣いてたら幸せ来ないからさ。



そういう人たちに限って人一倍、人知れぬ苦労をしていました。
社会にもどんな他者にも不平不満は言わなかった。余計な口出しもしない。
楽しそうで穏やかで、軽やか。
お説教もゼロ。
自分のささやかな楽しみも大切にしていました。自分の機嫌は自分で取る。たとえ家族であれ自分の感情と他人の感情を混ぜこぜにしない。
それが上品というもの。


手放しで誉めるのは危険とはいえ、ずっと見てきて真実そうと分かりました。
なぜ?
理由を考え続けました。
なぜあの人たちは優しくて笑ってる?
だからこそ最強なんだ。
どうしようもない聞かん坊の私をやすやすと、あやすように言うこと聞かせてしまったんだから。
こっちは嬉しくそうなってしまった。
(どんなことでもします。お守りします。ずっと下にいたい。私頑張る。)
龍神を手懐けた弁財天や、夏目雅子さんの三蔵法師には敵なし。武力もあらゆるパワーも効かない。
水や、風や、光を殴っても自分が疲れるだけでしょ?


心身を壊してだめになっても、一切責めない人たちがいた。ベタベタ甘やかすのではなく。
そういう人たちを、尊い、上品な人と個人的には思います。


そして、なかなかおしゃれです。
ほとんどお化粧できない職場でも、楽しい更衣室。
うわお。セクシーだしなんだかいいにおい。中にはほんとにとんでもない美女もいて、目を白黒しながら
「あの。昔モデルさんかなんか、されてました?」
と訊くと、余裕で微笑み
「そんなことあるわけないでしょ❗️じゃ、お疲れさま」
やべえここ峰不二子の巣。女性は性格が男前、さばさばしているけれど純で優しい。いざとなるととても女らしく可憐。
男性は男性で「この人モテるだろうなあ」と思わせました。ある種女性のようなやわらかな愛らしさを持っている人が多かった。
けれど男女いずれもいざという時にはズルく逃げたりはしませんでした。
その人たちは男女問わず人気があり、適度に抜けは作っていても基本頑張り屋で一本気で、愉快だけれど純。妙な関係にならず互いに楽しく話せたものです。



名も知れぬ親切な、蝶のおじいさん。山野草名人。猫マスター且つお花の師匠の女性。鉢植えを教えてくれたおじいちゃん。頑是ない私を「触らぬ神に祟りなしだ」と笑った母方の、僧侶だった祖父。いつも笑みを絶やさなかった。
唯一人、うんと手を広げて苦しいほど抱きしめてくれる大人であった美しい叔母。
社会の疑問を訊きに言ったら
「水宮。俺にも分からない。だから一緒に考えような」と目の高さにかがんで真剣に言ってくれた生徒会の顧問。戦隊や小説の中のヒーローにヒロイン。外で倒れた私を助けてくれて名乗りもせず去った何人もの人たち。そして人以外でも、守ってくれたあらゆる存在。私がどんなにダメな子だ、悪い娘だとはじかれても。


品のある人の共通点。
ただ一つ。

「すべて許せるちから」。

それこそが最強のヒーロー。


憧れました。ああなりたい、と。
考え、足掻き行動しました。人に尋ね、本も読みました。
タオイズム、ヘーゲル、ファージョン、養老孟司、白洲正子。
マンガ。昔の絵本も。
私の憧れる上品な人たちは。


確かに、すべての素敵な物語に出ていました。
いにしえの昔からいる、名もなき龍たちなのです。

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