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アル中が気にせず酒を飲んでいる話

黄金週間の、酒のつまみになりますかねこの話。


アルコール依存症。
ギャンブル、タバコ、薬物、買い物、摂食障害、ダイエット、万引き、スポーツに仕事、甘い物…
並いる依存症の中でもやはり酒は押しも押されもせぬアディクションの王者だと思う。



私はかつて摂食障害と異性関係依存とともに、重度のアルコール依存を持っていた。
それが精神疾患(躁うつとボーダーライン)と相まってそらもうえらい騒ぎだったさ。まともな人生歩めてきたワケありんせんね。

ゴミ捨て場のそばに繁り始めたシダの葉っぱ。あ、大好きなボンベイサファイアの中はもちろん水よん。

ことにお酒はもう毎日飲む水と同じ。量も無限大♾️。幸か不幸か内臓が強かったせい?で死ななかったようなものの。
作家の中島らも。あの方の気持ちはよく分かった。『今夜、すべてのバーで』なんてもう恐怖と共感と涙なしには読めなかったわ〜。



しかし事態はシャレにならなくなっていた。やめるの?やめないの?じゃあ生きるの?死ぬの?
ハムレットレベルにまで達した自問自答と窮地に追い込まれ、医師に勧められた自助グループに行ってはみたが速攻うんざり。
老人ばかり。歳の近そうな女性がまれにいても薬物依存ダブル持ちでひいちゃったり(のちに薬物で5回も服役したT兄と結婚したのは、我ながらナイスチョイス。とても勉強になったし差別も無くなったし自分を知る助けにもなってくれた。愛はすごいよねマジ)。
しかもみんなの
「こんなに長いこと飲んでないんだから」自慢をまずいインスタントコーヒー飲まされながらエンエン聞かされるという拷問みたいな時間。小銭寄付もしなきゃだし。
そこへ自腹で交通費出して毎週何遍でもほうぼう行きまくるのを推奨されたが水宮にすれば
「おまえパーじゃねえか?寝言は寝て言え」
と。



縛られるのも縛るのも、生来きらい。わらわに命令するなど100万年早いわバカ者が!笑



自分で工夫してやめようとか色々してみたが、よく知られるようにどのやり方もかなり無理がある。家から撤廃しようがコンビニはそこら中にあり24時間365日酒が買える。スーパーに行けばいつでもどーんと安売り中。
居酒屋もバーもごろごろあるし、テレビをつければ美味そうに酒を飲むCMが溢れかえっている。



酒造メーカーはね。
そらもうバリバリに需要あってああして作れるし売れるのよね。ここは回教徒の国じゃないんだから。日本は酒と永遠に蜜月の国。酒とズブズブの国なのだ。
そこへ生まれてきたお酒好きの私が飲むなって言われて耐えられるとでも思ってんのかこのターコ。←誰に怒っているのだろう。この国で飲めない、飲んじゃダメ、という状況に、ね。



だから、もう断酒、禁酒、節酒じたいをやめた。
こんな生き方してきてここまで生きてこれただけでも超ラッキー。いつ死んでもOKなように身の回りを少しずつ片付け遺言状もバッチリ。近いかもしれない死を覚悟して、あとは気にせずお酒を楽しんできた。



そして先月53歳を迎えて現在。
相変わらず飲んでるが、はっきり言ってど健康そのものである。



年齢を重ねて食べるも飲むも量がいかなくなりはしたが、それでもかなりいく方だと思う。タバコもしっかり吸い続けるためにIQOSにしたんだしトーゼン、こつこつ吸ってますよ。こういうのは毎日こつこつ続けないとね。あきらめたらそこで試合終了だし。




去年の秋、網走刑務所での「最後のおつとめ」から戻ったT兄はしかし、私より飲めないのにあっという間に体重が増え、なんと先月通風になってしまった。
大丈夫T兄、プリン体低くてカロリーも低くてとっても美味しいもの、私たくさん作れるんだから^_^焼酎なめて楽しくやっていこうね♪



さて。



私は運がいい?
運がいいのだろう。
そして何より、
「酒、絶対やめなきゃ!」というこだわりを捨てた時から酒そのもの自体へのこだわりが無くなった。病気や死への不安や恐怖も一緒に捨ててしまったようだ。
あんしん、あんしん、と笑っている。
太りもしないしげんきに動けてる(ひざは相変わらず壊れてるが、動き出せばべつにへいき。ちゃんと休むし。ひざの水もいつの間にかひいてしまった)。



きっとこの、
「安心」「気にしない」「病気とか死ぬとかもうさー。死ぬのは当たり前でしょそん時ゃそん時」
という必殺開き直りがいい働きをしてくれてるのかな、と思う。

これは経済面でも言えて、最下層である我が家も別に飢えや渇きやライフライン止まりましたーなんてことはない。ちゃんと食べて酒タバコ呑めて猫まで飼えてんだもの。
オリーブ油が1,000円?
おーっほほほ、じゃあサラダ油を飲めばいいじゃないのと内なるアントワネットは高笑い。
何もかもありがたい。
何もかものおかげで生きていられてる。
無事で今日も笑って、二人と一匹で。



そういえば実家近くの大國魂神社には摂社がたくさんあり、私にとっては神さまのデパートであった。
願い事はしないが(だって叶えるのは自分でしょ)何かお礼を言いたい時はとってもべんり。
中にちゃんとお酒の神様のお社があって、よく
「いつもありがとうございます」
と挨拶していた。
もしかしたら、それもよかったのかもね?

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